滋賀県、腰痛治療

こんな歩き方が腰痛の原因になります

腰痛と歩き方の関係性とは?

突然ですが、自分の靴の裏をご覧になったことはありますか?

もし靴裏で、特に踵の外側(小指側)が他の部分よりも著しく磨り減っていたら、それは歩き方がおかしいと言うことになります。
そのようなおかしい歩き方が進行してしまうと、ちょっとした段差や何も障害物のない平らなところでも、爪先が地面に引っかかり、転倒する危険性があります。

また、腰痛の原因にもなり、体の不調に繋がる場合もあります。

そこで今回は腰痛と歩き方の関係性についてお話いたします。

歩き方は足の状態で決まる

歩き方が悪くなっている人は、足の状態が悪いことがほとんどです。
なので、最初に自分の足の状態を確認してみましょう。

まず、足を伸ばして仰向けで寝てみてください。
床と膝の裏に隙間ができていませんか?

自分で判り難いようであれば、ご家族に直接床と膝裏に手を入れてもらってください。
もしそこで、手が入るほどの隙間ができているようなら、股関節と膝が伸ばしきれていない状態です。

つまりそれは、太腿の前に存在する腿四頭筋と、内腿に存在するハムストリングスと呼ばれる筋群が、緊張状態を解くことができていないと言うことです。

次はその状態のまま、できるだけ爪先を真上に向けて、両足の踵を合わせてみてください。

その時、膝の内側に3cm以上の隙間が開いていれば、医学用語で[外反股]という状態になります。
程度の差はありますが、一般に言われる[ガニ股]の状態です。

ガニ股だと歩き方が悪くなる

ガニ股の状態では、足首が捻れて、足の甲の小指側が親指側よりも下に位置してしまいます。
その状態で歩いてしまうと、身体の外側(小指側)に体重が掛かり、靴の踵の外側が通常よりも擦り減ってしまいます。

症状の酷い人の場合、左右に揺れてしまい、まるで振り子のような歩き方になってしまいます。
このような歩き方で、誰かと並んで歩いたときは、相手の肩と自分の肩がぶつかってしまいます。

これは極めて異常な歩き方です。
このような歩き方は、股関節が正常な位置にある場合、諸筋肉が外側に引っ張られることになります。

例外として、骨盤の異常により腸骨が広がっている人が挙げられます。
腸骨の異常な広がりを起こす原因の多くは、出産があげられますが、今回の疾患とは異なることから詳細は後日記事にしてご紹介します。

筋肉が常に外側に引っ張られた状態になると、自分の意思で力を抜くことができなくなります。
なので、歩行時には一方の足の外側に、常に圧力が掛かることになります。

膝の関節には、2個の半月板と呼ばれるクッション材が存在します。
上記のような状態の場合、常に外側に力が掛かっているため、膝の半月板は外側(小指側)より内側(拇指側)の方が薄くなってしまいます。

薄くなった半月板が完全に潰れてしまえば、その後軟骨も擦り減ることになります。
更に状態が悪化してしまうと、膝の骨が擦れて変形性膝関節症を起こしてしまいます。

変形性膝関節症になってしまい、外科的治療では人工関節による治療が一般的です。
高齢の方ですと、手術後のリハビリが難しくなります。
また最悪の場合、膝の曲げ伸ばしが困難になったり、膝の可動域が制限されたりすることもあります。

今現在、「まだ膝は痛くない!」と言う方でも、ご紹介したような膝や足の異常が見られれば、最終的には人工関節による治療を行わなくてはいけなくなります。

股関節や膝が伸ばしきれない状態と言うことは、下半身は曲がっていることになり、上半身も正常状態ではないはずです。
そうなると、体のバランスを取るために、背や腰が前方に傾てしいます。

上記のような状態になってしまうと、前回の記事でご紹介した[姿勢が悪いことを自覚してない人]の人のように、姿勢の悪さを自覚できないため、知らず知らずのうちに腰痛を起こしてしまいます。

ここまで姿勢が悪くなってしまうと、自分で治そう思ってもなかなか治るものではありません。
なので、早めに治療院などで治療を行うことをおすすめします。

このような疾患の場合は、「徒手矯正」と呼ばれる方法で治療を行います。
まだ太腿や膝に痛みが出ていない人であれば、短期間の治療で姿勢を治すことも可能です。

施術後すぐは、体が正常な状態になっているため、正しい歩き方になっています。
しかし、小指側に重心を掛けて歩かないように、気をつけないとすぐに元の状態に戻ってしまいます。

歩き方の悪い方を治療した実例紹介

では、これまで実際に治療を行った患者さんの実例をご紹介します。

まずは、短期間で治療が完了した患者さんの実例です。

その患者さんは、そこまでひどい状態ではなかったため、1回施術でかなりいい状態にすることができました。
しかし、1回目の施術の後に、気がつかないうちに悪い歩き方をしてしまい、治療前の状態に戻ってしまったようです。
そこで、2回目の施術で「この歩き方ですよね」と、正しい歩き方について再確認を行いました。

施術を行い、歩き方をいい状態にしても、一旦悪い歩き方をしてしまえば、膝が施術前の状態に戻ってしまうことがほとんどです。
そして、一旦悪い歩き方をしてしまうと、再び正しい歩き方に戻すことはほぼ不可能と言えます。

結局、この患者さんはそれ以降施術にはみえていませんので、正しい歩き方が身についたのだと思います。
私の今までの経験上、普段から自分の歩き方に違和感がある人ほど短期間で完治できる方が多くなっているように思います。

次は、自身の体に違和感を感じていなかった患者さんの実例です。

その患者さんは女性の方になるのですが、実際に来院された際は、身体のどこにも痛みは感じていませんでした。
しかし、[ガニ股]は自身でも自覚をされていました。

その女性の場合も、初回の施術後、1週間ぐらいは良い歩き方ができていたようでした。
しかし、その後「気がついたら元の歩き方をしていた」そうで、最終的には完治に10日ほど要しました。

また、別の患者さん場合、最長で1ヶ月ほど掛かってしまった方もみえます。
現在は良い姿勢なり満足されていますが、当初は治療の翌日に悪い歩き方をしてしまい、「私はダメなんでしょうか?」と不安も口にされたほどでした。

7回目の施術後、念のために予約を取り帰られましたが、予約当日に「やっと良い歩き方が身に着いたようです」とキャンセルの連絡をいただきました。
それ以後、同じ疾患で受診されることはありませんが、別の疾患で受診された際に、「実は後半の治療あたりでも、私は無理なのでは?」と思っていたとのことでした。

まとめ

もし、足が[ガニ股]になっていて現状膝などに痛みがなくても、そのままにしておくとどこかしらに不調を感じる可能性が高くなります。
筋肉疲労が溜まり、太腿や膝に痛みが出てくるか、膝の曲げ伸ばしに異音がするなどの不調が考えられます。

また、女性の場合[ガニ股]は他人の眼が気になるでしょうし、それが足の痛みやその他の不調の原因にもなります。
なので、早いうちに正常な歩きを取り戻した方が、体にとって良いのではないでしょうか?

多くの人の場合、自分が[ガニ股]であることを自覚しています。
しかし、どこでそれを治せばいいのかわからない方が多くいらっしゃいます。

病院の整形外科でも、[ガニ股]の治療は行なわれています。
ただ、装具を揃えたり重篤な場合は入院の必要があるため、一般的には敷居が高く感じてしまうのではないでしょうか?

当院のような治療院であれば、器具を揃えたり重篤な場合でも入院する必要はありません。
しかしその分、本人が「治そう」と言う意識を高く持つことが必要になります。

よほど重篤な患者さんや巨漢の人でもない限り、1度の施術で体を正常な状態にできることが多いです。
私達のような治療院のセールスポイントは、足の格好を矯正するだけではなく、同時に上半身の姿勢も矯正できるだと思います。

そうすることで体全体を整えることができ、体の不調も和らげることが可能です。

もし体に痛みや不調がある方は、まずは1度当院にお問合せください。

腰痛の原因は歩き方の悪さから:実例①足を引きずりながら歩く人

前述は腰痛の原因が歩き方にあり、それを自身で認識するための自己診断方法をご紹介しました。

こちらからは、実際の歩き方が悪かった症例を、3つに渡ってご紹介します。
1つ目は、足を引きずりながら歩く歩き方の症例です。

足を引きずりやすくなる人の特徴

足を引きずりながら歩く歩き方は、以下のような人がなりやすいと考えられます。

・普段靴ではなくサンダルやスリッパを履くことが多い人
・仕事で歩く機会の少ない人
・年配の方で歩幅が狭い人

サンダルやスリッパは、大股で歩きづらく、基本的には履物の裏を床に擦するような歩き方になってしまいます。
普段から床を擦るような歩き方をしていると、それが癖になってしまい、靴を履いたときも同じような歩き方になってしまいます。

腰痛の原因が歩き方にある人は、上記の原因でことが最も多くなっています。

前回もお伝えしましたが、自身の歩き方が悪いことを認識できていない人や、足の格好が変形してしまっていることを知らず生活されている人も多くいます。
自身の体に悪い部分があることを認識できていない人は、治療の際の問診でも、「腰が痛くなるようなことは何もしてないのに!」と皆様口を揃えて言われます。

確かに、腰の骨がズレているわけではないので、病院でレントゲン検査をしたとしても腰に異常が見つかることはありません。

では、当院に来院された方の実例をご紹介します。

長浜市在住 Oさん26歳 公務員 男性の例

Oさんは、学生時代野球をされていました。
現在も体力維持のため、休日には5km程度のウォーキングをしているそうです。

腰の違和感を感じるようになったのは、当院を受診される半年ほど前からでした。

最初の頃は、痛みと言うよりも突っ張るような感じだったそうで、その感じを常に気にされていました。
その後痛みが出てきたので、整形外科を受診すると、[特発性腰痛]と診断されました。

整形外科の治療として、最初は湿布を処方されましたが、湿布を貼っても痛みは収まりませんでした。
その後、湿布で痛みが収まらなかったので、今度は鎮痛剤も一緒に処方されました。

しかし、鎮痛剤の効果が切れる頃には痛みが再発してしまっていたそうです。
そこで、別の治療を探していたところ、縁あって当院を受診されました。

痛みはそれほど強いものではなく、日常生活の中で、常に気になる不快感に近いものだったようです。

触診させてもらうと、Oさんの背中や腰に大きな異常は見られませんでしたが、筋肉疲労を疑わせる徴候が見られました。

試しに仰向けで寝てもらうと、股関節と膝関節の完全伸展(しっかりと伸ばすこと)ができなくなっていました。

本人はこの状態を認識できていなかったので、私が膝裏に手を入れ、上から押しても伸びきらないことを確認してもらいました。

Oさんは、状態を把握すると「何でこんなことに?」と言われました。
なので、私はOさんに自身の靴を持ってきてもらうようにお願いし、原因を説明しました。

Oさんの靴裏は踵が極端に擦り減り、足を引きずって歩いていたことを証明していました。
先月、ご紹介しましたが、靴裏が擦り減ってしまうのは、足を引きずって歩くことが原因なのです。

足を引きずると腰痛を起こす理由は?

足を引きずると言うことは、その人の体重や加速度の負担が伸びきらない膝に掛かると言うことです。
このような場合、股関節も同様に、その動きに関わる筋群は常に緊張を強いられます。

それが何故腰痛に繋がるかと言うと、転倒を防ぐために無意識にバランスをとってしまうからです。
足が伸ばせない状態で、腰を真っ直ぐにすれば後に転倒してしまいます。

転倒を防ぐために、無意識のうちにバランスを取り、腰を前方に倒しています。
そうなると当然、その姿勢を維持するために、上半身の土台である腰部の筋肉には常に負荷が掛かります。

筋肉は弛緩した際に血液から栄養を補給し、緊張した時は栄養をエネルギーとして力を発揮します。
しかし緊張状態が続いてしまうと、血液から栄養を補給することができず、筋肉には疲労が蓄積してしまいます。

そうなると、やがて腰の筋肉の疲労はピークを迎え、痛みとして脳に腰の異常を知らせます。

しかし、夜寝る時は横になるため、その負荷がなくなります。
なので、翌日目が覚めれば腰の痛みは軽減されていたり、何も感じなくなっていたりします。
休日も同様で、家で寛いでいれば腰に掛かる負荷が少なくなるので、翌出勤日には腰の痛みはほとんどなくなっていると思います。

症状が進行すると常に腰痛を感じる時間が長くなり、やがて寝ても休日を過ごしても痛みの感じ方は違えど、消えることはありません。
骨の異常をレントゲンやCTで検査しても、筋肉の疲労は分からないため、原因不明の[特発性腰痛]と診断されてしまいます。

この状態で腰だけを湿布で治療しても焼け石に水で、足を治療しなくては腰痛の根本的な治療にはなりません。
湿布以外に電気治療を行なうところもあるようですが、根本的な治療にはならないと考えられます。

当院の治療では、先に足の病変を取り除くことからはじめ、正常な足の動きが確保できるようにします。
簡単に言うと、足の状態をリセットします。

次に背腰部の諸筋を徒手で強制的に緩ませることで、痛みの原因を取り除きます。
その際に、極僅かでも胸腰椎のズレが確認できれば、同時に矯正を行います。

Oさんの場合は、早期のうちに治療することができたため、一度の施術で完治しました。

まとめ

今回は歩き方が原因でなる腰痛で、足を擦って歩く人の症例をご紹介しました。

膝の関節が完全伸展できるようになれば、歩き方の癖を直すために、できるだけ大股で歩くことをおすすめいたします。
そうすれば、腰痛の原因の1つをなくすことができます。

また、スリッパやサンダルを履いていても、床を擦る歩き方ではなく、少し大股を意識した歩き方をすれば擦って歩く癖を直すことも可能です。
欲を言えば、外履きの靴を新しい物に換えると、さらに癖を直しやすくなります。

世の中には[特発性腰痛]と診断され、根本的な治療をせずに痛みを我慢している方が大勢います。

今回、掲載の承諾はいただけませんでしたが、激しい腰痛や灼熱痛のため先の展望に不安を持たれ、それまで勤められた会社を自己退職されたという方もいらっしゃいます。
正しい治療法を知らない場合は、仕事が腰痛の原因だと思ってしまい、その仕事を辞めてしまうなど早まった決断を下してしまう場合もあります。

腰痛に悩まれている方が、この記事を読み、早期の治療を行って健康な生活を取り戻してもらえると幸いです。

腰痛の原因は歩き方の悪さから:実例② 揺れながら歩く人

1つ目では、腰痛の原因が足にある人の例をご紹介しておりますが、
2つ目は、足の異常で左右に揺れながら歩く癖から、腰痛を起す症例をご紹介します。

左右に揺れる歩き方

左右に揺れながら歩く人は、足が外反股と言う状態になっています。
一般には[ガニ股]と呼ばれ、膝と足先が外に向いてしまうため、身体の左右外側に重心や加速度が掛かかり揺れるような歩き方になってしまいます。

揺れるような歩き方の場合、骨盤や足に関わる諸筋肉群が異常な伸展を強いられ、土台が不安定になるため、上半身にも悪影響が及びます。

では、実際に当院に治療に来られた患者様の実例をご紹介しましょう。

実例紹介:高島市在住Kさん49歳 男性

こちらの患者様は設備業で働かれており、日夜建設現場や既存家屋の工事に携わっています。
時には重量物を持ち上げることもあり、体格は頑丈で、手足はたくましい筋肉をしています。

「またギックリ腰やってもうた」と当院に来院されたのは寒い日の夕刻でした。
私は「本格的に足を治さないかぎり同じことの繰り返しですよ」とお伝えし、強く下肢矯正をすすめました。

最初は「すぐに元に戻るから」と渋っていらっしゃいましたが、「これ以上仕事に差し障りが出たら」と納得いただいて全身の治療を施しました。

外反股とは、文字通り股関節が外に向くことで、歩く際に真っ直ぐ前方でなく、外側斜め前方に足が出ます。

なので当然、膝も外側を向き、大腿部の内側の諸筋肉は外側へ引っ張られます。
そのため、主に体重を支えることになる外側の筋肉は、常に緊張を強いられ著しく硬く固まってしまいます。

それでも、完全にその人の体重を支えることが難しく、歩く際は外に加速度がかかるため、身体が左右に揺れてしまいます。

歩くことの多い人は、腰よりもお尻のほうが先に痛くなり、それほど歩かない人は年齢を重ねてから腰に痛みを訴えます。

また、足首から先では足背部が捻れ、親指側が地面から浮くような格好となります。
ご自分の足指や足背部を触ったことのある人ならおわかりかと思いますが、足指やその付け根の骨は小指のほうが、細く小さくなっています。

正常ならば歩くときの体重や加速度は、太く大きな親指側にかかります。

しかし、外反股の場合は足背部が捻れてしまうため、骨が細く小さい小指側に掛かってしまいます。
外反股の状態が続くと、腰痛や足の痛みだけではなく、小指の骨や足趾骨の疲労骨折と、足関節捻挫になってしまう恐れがあります。

Kさんの場合は1年に何度もギックリ腰やそれに似た腰痛を起き、それが当たり前の生活をしていました。
当初は「足を治さなければ何度も起しますよ」とお伝えた私に対して、「それなら」と歩き方の悪癖を直そうと努力をしていました。
しかし、「仕事が忙しいから」と言う理由で、悪癖が再発してもすぐには来院してもらえませんでした。

それが腰痛を再発させられる頻度が上がったため、「もう一度やってみようか」と言う気になられたそうです。
5月の新着情報でもお伝えしていますが、それまでの悪癖をしっかりと治すには「絶対に治そう」と言う気持を持続する必要があります。

足の悪癖を治すには?

足の悪癖をしっかりと治すためには、治療してリセットできた足の状態を、できるだけ維持することが大切です。

しかし、何かの拍子で悪い足の形が再発してしまう場合もありますので、その時は直ちに再来院してもらい再びリセットする必要があります。
そうすることで、正常な歩き方をしっかりと身に着けることができます。

外反股の状態で歩いている方の背腰部では、胸椎よりも腰椎の筋肉のほうが弱くなっていることが多く、更に柔軟性も衰えていることが多いです。
それは外反股の状態で歩くことで骨盤が広がり、下半身が不安定になり上半身が前傾姿勢になってしまうからです。

治療により大腿部から下腿部が正常に前を向けば、自然に足背部も正常化し、平行を保つことができます。
常に足が真っ直ぐになれば背や腰も前傾姿勢を取る必要がなくなるため、衰えていた部分の諸筋肉も正常化することは間違いありません。

それでも短期間に「元に戻ってしまった」という方は、まだ骨盤の開きに問題があると言うことです。
そのような場合は、足の正常化に加え骨盤矯正も同時に図ります。

それと忘れてはいけないのが、「履物を新しくする」ことです。
外反股のまま歩いていた靴裏は、外側一方だけが摩滅しており、その履物を履くと、リセットできた足の膝がその瞬間から外を向いてしまいます。

なので最初の治療に来られる際は、新しい履物を持参いただくことをおすすめします。
そうすることで、初回の治療から腰痛治療に加え、足の格好の正常化を図ることができます。

まとめ

腰痛がなくて[ガニ股]が気になるという方は、骨盤から足だけの治療となりますので、施術時間は短くて済みます。
Kさんの治療を行ってから半年ほど経ちますが、腰痛の治療でお越しになられることはありません。

初回から6度ほど歩行の悪癖が再発し、最後の治療は今から4ヶ月前でした。
もうそろそろ正常な歩き方が身に着いているのではないかと思います。

と、ここまでご覧になって「私には関係がない!」と思ってませんか?

今あなたが椅子に座っているなら、足はどういう状態でしょうか?
もし、足を組んでいるなら、上になっている側の足は親指よりも小指が下になってませんか?

「自分では判らない」や「下になっている足先と殆ど変わりがない」と思われる方は、試しに次のようなことを試してみてください!

まず上になっていた側の靴下を脱いで、薄い紙を床に置き、親指で踏んで両足で立ってください。
その状態で誰かにその紙を前方に引っ張ってもらってください。

何の抵抗もないかもしくは若干の抵抗しかなく、簡単に紙が抜けたなら、その側の足は[ガニ股]と言うことになります。
その場合、片足だけが外反していることになり、外反している側に揺れて歩いていることになります。

ここまでご説明した通り、足に問題があればやがて腰にも悪影響が及びます。
今は何ともなくても腰痛を起される原因になる事は間違いありません。
外反股をご自身で認識されているのであれば、やはり早めに治療することをおすすめします。

腰痛の原因は歩き方の悪さから:実例③ 左右の脚の長さが違う人

3つ目は、左右の脚の長さが違うことが原因で腰痛を起こす症例をご紹介します。

左右の脚の長さが変わってしまうと、歩幅に違いが出てしまい、歩き方がおかしくなり腰痛を起こしてしまいます。

左右の脚の長さに違いが出る原因

脚は、膝の関節の隙間が狭くなったり膝が伸びきらなかったりすることで、左右の長さに違いが出てしまう事があります。
そのような状態になってしまう原因としては、以下のようなことが考えられます。

1.どちらかの脚を怪我したことがある
2.片方の脚に重心をかけることが多い
3.半月板が潰れている

上記以外の原因も考えられますが、左右差の出ている方は、上記の原因であることが多いです。
それでは、それぞれの原因について詳しくご説明していきます。

1.どちらかの脚を負傷したことがある
多く考えられる原因の1つとして、過去にどちらのかの脚を負傷して、障害があった場合です。
その場合、障害のあったの脚は短くなる傾向にあり、長い方の脚が正常な長さであることが多いです。

脚を怪我した場合、その脚を庇うことが身に着き、完治してもその歩きが元に戻らないことがあります。
そのままの歩き方を続けてしまうと、片方の脚が短くなってしまう可能性が高くなります。

2.片方の脚に重心をかけることが多い
片方の脚に重心をかけることが多い場合も、左右の脚の長さに違いが出る原因です。
特に立ち仕事の多い人は、効き足側に重心をかけることが多くなります。

どちらかの脚に重心をかけることが多くなると、骨盤が歪んでしまい左右の脚の長さに違いができてしまいます。

3.半月板が潰れている
物理的な原因の1つとして、片方の脚の半月板という膝のクッションが潰れてしまい、左右の脚の長さに違いが出てしまう場合があります。

このように左右の脚の長さが違う状態を医学用語で[脚長差(きゃくちょうさ)]と言います。
脚が短いと言っても、実際の骨の長さには左右差はなく、短い方の脚の膝が完全伸展できないと左右の脚の長さに違いが出てしまいます。

先月ご紹介した椅子に座っていて脚を組む人は、常に上になった側の脚より、下になっている脚のほうが短くなります。
それも前述のように、下になった方の膝の上に乗っている脚の重さが負荷となり、下の脚の隙間が狭くなるため起こるものです。

脚長差はなぜ腰痛に関わるのか?

ではなぜ、脚長差が腰痛に関わるのかと言うと、正常な側の背腰部の筋肉は異常のある側より発達します。
反対に短い脚の特に腰部の筋は、弱体化してしまいます。

さらに背腰部の骨はと言うと、短い脚側に倒れてしまいます。
この状態を医学用語で[側弯症]と言い、短い脚側の肩は正常な脚側より下がった状態になってしまいます。

つまり短い脚側の肩が下がることにより、脚では正常な脚に体重の多くがかかるようになり、背腰部では短い脚のほう(背腰部が倒れたほう)に上半身の体重が多くかかるようになります。

筋力の失われた短い脚側の腰部の筋肉は、常にその状態で起立姿勢や歩行姿勢を維持しようとします。
その状態で時間が経過すると、休まることが少なくなった筋肉に疲労が積重なり、「もう限界」と悲鳴をあげて痛みとして脳に訴えます。

当然首は下がっている肩側に傾きますが、両眼で見る景色に違和感が出ます。

人間は、それを補正しようと頭が正常な側に傾くため首も同じように傾きます。
下がっている方の肩と首を支えている筋肉は、常に引っ張られ緊張を余儀なくされるため、腰痛以外にも強い肩凝りを感じるようになります。

実例紹介:京都市在住Bさん 32歳 男性

Bさんは鉄道会社勤務で、日夜改札業務や旅券の販売業務、ホームの点検業務をしています。

常に左肩に凝りを感じていて、暇を見つけては首を回したり背を反らせたり、肩を回したりしていたそうですが改善が見られませんでした。
主症状は、首や肩の凝り感に加え、頭痛と腰痛を感じていたそうです。

整形外科を受診し、レントゲン検査により[側弯症]と診断されたそうですが、症状を感じている箇所に湿布を貼るだけの治療だったようです。

当院に来院されたのは、整形外科で処方された湿布の貼りすぎで皮膚まで傷んでしまい、治療の限界を感じたからとのことでした。

まずはベットに寝てもらうと、やはり脚長差が見られ、左脚が右脚よりも3cm強短い状態でした。
本人は「今までに足を怪我したことはない」とおっしゃっていましたが、明らかな脚長差が見られました。

脚の筋肉は大腿部もふくらはぎの筋肉も正常な側の脚より弱体化していました。
しかし膝関節は完全伸展が可能で、膝蓋骨(一般に言われる膝の皿)の下縁に左右差がありました。

これは大腿骨と脛骨間の隙間が狭まっていることを示すもので、これが痛みの原因でした。
短い脚側が正常な脚側よりも、体重をかけることが少ないと言っても、筋肉や靱帯は正常な側よりも緩んでいるとは限りません。

100%体重を脚にかけるためには、踵が地面に密着していなければいけませんが、一方の脚を庇うとその側の踵を浮かし、爪先に加重をかけた姿勢となります。
なのでその脚の姿勢を維持するため、膝や足首の周辺の筋肉は緊張を維持することになります。

治療では種々の方法を繰り返し筋肉の緊張を緩和、膝関節の関節裂隙(大腿骨と脛骨間の隙間)を正常化を行い、脚長差の解消を図りました。
ここで細心の注意が必要なのは、左右の膝の関節裂隙の広さを合わせることです。

いくら左右の脚の長さが均等になっても、関節裂隙に左右差が出てしまえば、正座やしゃがみ姿勢で違和感が生じ、無意識に狭い方の脚を庇ってしまうからです。
どちらかの脚を庇うことで再び脚長差が出ないとも限りませんので、慎重な治療が必要になります。

そして背腰部と殿部(骨盤)の諸筋肉を緩ませ脊柱矯正を図ったあとに、ベッドから立ち上がってもらい両肩の水平を確認しました。

2度ほど一連の治療を行い、側弯の解消を本人に確認してもらい脊柱矯正を終了しました。

なぜ骨盤まで触れる必要があるかと言うと、脚の長さに左右差があると、短い側に骨盤が傾く可能性があり、そのままでは側弯症が治りきらないからです。

両方の肩が水平になれば、それまで低かった側のほうに傾いていた首が垂直になり、肩凝りの施術をしなくても首や肩の筋肉に緩みが出ます。
Bさんの場合、背や腰の骨(胸椎・腰椎)の柔軟性がある程度残っていたので、周辺の筋肉を緩ませただけで立位姿勢を治すことができました。

実際の治療でできることはここまでで、Bさんには右足(効き足)だけに負担をかけないように注意してもらうように伝え、その後の経過を見守ることにしました。

その治療以降、腰痛を感じることはないようですが、「自分では充分注意はしている」と数ヶ月に一度、主症状(肩凝りなど)が再発した時に来院しています。

しかし、その頻度は徐々に開く傾向にあり、やがて悪癖を完全に治すことができると確信しています。

まとめ

この症状で悩まれている人は多くほとんどの場合、脚長差を改善する治療は行なわれず、痛みが出ている箇所だけに治療が施されます。

しかし左右の脚の長さを揃えない限り、歩き方が治ることがないので、根本的な解決にはなりません。

有名大病院などでは私達のような理療師が在駐している場合もありますが、それを知る方法は少ないため、今回ご紹介した疾患の治療は治療院を選択されることをおすすめします。

病院などのリハビリ室には理学療法士が在駐していますが、私達のような理療師とは免許の種類も仕事も違いますので、お気をつけください。

特発性腰痛と突発性の腰痛?その違いは?

これまでは異常な歩行により、病院などでは[特発性腰痛]と呼ばれる筋肉疲労由来の疾患の例をご紹介しました。

以下からは何の前駆症状も無いのに、突然腰が痛くなる神経由来のいわば[突発性の腰痛]についてご紹介いたします。

特発性腰痛と突発性腰痛

特発性腰痛と突発性腰痛は、一度耳にしただけでは同じものと混合してしまいそうですが、受傷する箇所が全く異なります。

特発性腰痛とは、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症とは違い、画像検査では異常が見つからず、腰部の筋肉やその周辺の組織に起因する疾患を示すことが多いのです。

一般的に言われるギックリ腰は、筋肉性腰痛とは違い神経に原因があり、突然起こることから[突発性腰痛]などと紛らわしい病名を告げられることがあります。

整形外科の医師の中には、特発性腰痛の中にギックリ腰も入れている人もおられるのですが、治療方法が全く違います。

じわじわ痛みの強さが増す場合でしたら、筋肉疲労が原因であることが多く、初期のうちなら患部を暖めることや、身体を休ませることで改善が見られます。
そうではなく、重量物を持ち上げたり、不自然な動作でいきなり強く腰が痛くなったならいわゆるギックリ腰と呼ばれる症状でしょう。

筋肉疲労の場合は、6月からの新着情報で原因をご紹介してきましたので、もうお判りかと思います。

ギックリ腰になり易い人は、以下の3つのパターンに分けられます。

  • Ⅰ 肥満体型の人
    特に上半身が太っている人では、その体重のせいで椎間板が潰れ、正常ならば7~9mmある厚みが薄くなり、神経の出口である椎間関節の隙間が狭まります。
  • Ⅱ 背腰部の筋肉が乏しい人
    腰椎が柔軟性を保っていても、筋力低下が見られる人では、姿勢を前に屈めて元の起立姿勢に戻しても戻りきらず、1~2個が後方に飛び出したままになることがあります。
  • Ⅲ 腰椎の柔軟性が乏しい人
    腰を捻る動作で個々の腰椎が少しずつ捻る際、柔軟性を保っていない椎間関節があればその姿勢に従え難いことになり、隙間が狭いところに神経が押しやられることになります。

上記の状態では、脊柱管と呼ばれる腰椎の出口付近で、脊髄から分かれた神経が骨に挟まれたり、噛まれたりすることで神経を傷つけます。

腰椎の捻りや後方突出では、大きくズレを生じることは少なく、レントゲンの画像では視認することが困難な場合が多く、見逃す場合もあります。
但し、受傷後直ちに病院を受診し、上記のような姿勢や行動をを原因として付け加えれば、はっきりギックリ腰と診断されるでしょう。

しかし受傷して2~3日ほど経過してから受診した場合、医師は明らかな異変が画像で見られなければ特発性腰痛かギックリ腰かが判断できません。
なので多くの場合、治療は副作用の少ない湿布を処方して、筋肉疲労を取り去ろうとします。

しかし神経由来の痛みでしたら、湿布の効果は気休めにしかなりません。
何故なら、腰椎のズレや神経の位置に問題があって痛みが生じているわけですから、これを改善せねば痛みは取り去ることはできません。

運が良ければ、日を経過するほど痛みが薄らぐこともありますが、上下の腰椎に挟まれた(或いは噛まれた)神経がそのままなら、もっと増悪する可能性があります。

背腰部の姿勢がほぼ正常で、何度もギックリ腰を繰り返す人は、一度目の腰痛の原因が取り去られてないから起こります。

病院などの治療では、腰部の牽引などで腰椎間に隙間を作り、神経への圧迫を取り去ろうとします。
この治療は運任せで、短期間で治癒する人もいますが、数ヶ月通っても、引っ張られている際は楽でも、器具を外すと痛みが再発する人もいます。

では、実際の症例をご紹介します。

実例紹介:突発性の腰痛 Tさん 38歳 会社員 男性

約二ヶ月間、何も治療せずに腰の痛みを我慢されたTさんは38歳の会社員男性です。

それまでは腰痛を感じても、背を反らせれば痛みが小さくなることから、それほど重篤とは思われていませんでした。

ある日机から落ちたファイルを拾おうとして腰を屈め、立ち上がった際にいつもの腰痛とはレベルの違う鋭い痛みに教われました。
それでいつもと同様に腰を反らそうとされたのですが、腰どころか背も反らせませんでした。

そのため同僚の車で病院に急行されたそうです。
レントゲン検査により一つの腰椎が僅かに左に偏っていることがわかり、これが原因だろうと言う診断でした。

治療はホットパックによる腰部を暖めることと、器具による腰部の牽引を週に数度受けられ、Tさんご自身の申し出で鎮痛剤と胃薬、更に湿布薬を処方されました。

ベットで処置を受けられて立ち上がった際は、痛みも違和感も感じられなかったそうでしたが、それはその場だけだったそうです。

リハビリ室から出て治療費の支払いの順番を椅子に座って待っていたら小さな違和感を感じて、支払いを終えて玄関に出る頃には病院に来るまでと同様の痛みを感じました。
しかし、「でもこのまま治療を続けていたらそのうち治るのでは」と思っていたそうです。

ところが数週間経ってもそれ以上改善することがなく、それどころか太腿の中央付近までに筋肉の張りを感じるようになりました。

それでその部分にも湿布薬を貼っていましたが、現在の治療に疑問を持たれて病院での治療に加え鍼灸院で鍼治療を受けられたそうです。
その効能のおかげで腰痛も太腿の張り感も薄らぎ、「こっちの治療で治るんじゃぁないか」と思われ、病院でのリハビリ治療を中断してしまわれたのです。

ところが痛みが完全に消えている期間は3日ほどで、その翌日にはもとに戻ってしまい、今度は鍼治療にも疑問を持たれたそうです。

それでようやく当院に来院されました。
触診してみますと腰椎のズレは極小さなものでした。

腰椎両側の筋肉である脊柱起立筋は、左側は正常な張りで、右側に於いてはそれよりも強く緊張しているのが認められました。

足の筋肉はと言うと、ハムストリングスと呼ばれる膝の曲げに関わる筋群が硬く張っており、他動的に膝を伸ばそうとしても伸ばしきれません。
「こんな格好で歩いておられるんですよ」とお伝えすると、「どうりで寝ていたら足がだるくなるから、変だなと思ってたんです」とおっしゃいました。

膝から下では、下腿部に達する動脈は、大腿部の諸筋肉の過緊張により締め付けられ、右側の下腿部には通常の栄養を受けられずやや細く萎縮していました。

なので、両側臥位と仰臥位の姿勢で種々のマッサージを施し、大腿部の血流改善を図り、膝関節の可動域の回復に努めました。

血流が改善され、筋肉が弛緩したことによりTさんは、「足の力が抜けたようで、軽くなった気がします」とおっしゃいました。
それに要した時間は10から12分程度で、今度は腹臥位となっていただき、ズレた腰椎の整復を図るため両側の緊張している脊柱起立筋の弛緩術を行いました。

年齢のわりには脊柱の柔軟性を保っておられたため、胸椎や腰椎の異常な飛び出しは少ない状態でした。
また鍼治療のおかげか、腰痛を起して当院される人に比べれば弛緩術に要した時間は少なく、短時間で椎間関節の隙間を広げることができ、脊柱矯正ができました。

それで再度仰臥位の姿勢になっていただき、腰神経叢の正常化を図りましたが、腰・下肢の治療に要した時間は全部で30分に満たないものでした。
治療の終了後、「歩いてみてください」とお伝えすると、そのようにしてくださり「何も痛みは感じません」とおっしゃいました。

「では、腰を落としてください」とお伝えすると、恐る恐るではありましたが腰を屈められ「痛くない」とおっしゃり、このTさんの疾患は完治しました。

Tさんは以前から膝が伸びきらない姿勢を維持されていて、それを庇うため、腰部の筋肉が疲労したため小さな腰痛を感じていました。
その際、背を反らすことや休養をとることで、腰の痛みが軽減したのは筋肉疲労が原因だったのです。

そのような腰の状態で落ちたファイルを拾ったため、腰が大きく屈曲し、更に腕を伸ばす際に腰を捻ってしまったのです。

そのまま立ち上がっても、その姿勢から元に戻らなかった一つの腰椎があったため、椎間関節の隙間が狭まり感覚神経を圧迫し痛みを感じていました。
なので狭まった椎間関節の隙間を広げたことで、ズレた腰椎を元に戻したことにより、骨から神経への圧迫を取り除けたわけです。

更に腰神経叢の位置を正常に戻したため、椎間関節の隙間の一番広いところに神経が戻り、その状態が続く限り腰痛は起らないというわけです。
そうして長い時間圧迫を受けていた神経の傷が治ることで、残存していた小さな違和感も消えることになります。

それまでにもし腰痛を起したときのような姿勢をしても、腰部の筋肉疲労の原因は取り去られています。
なので、筋肉が正常な働きをするので、再発する可能性は少ないでしょう。

施術後Tさんは「今度はいつ来ればいいですか?」とおっしゃりましたが、「もうその必要はありません。また痛くなったら来てください」とお伝えしました。
するとTさんは「えっ?! もういいんですか?」とびっくりした反応をされ、本当に来なくていいか半信半疑のようでした。

私は「腰の骨がもとの位置に納まってますから、またズレたらお越しください」とお伝えすると、何か感心したように首を傾げながらお帰りになられました。

病院・鍼灸院で痛みが取れなかった理由

それでは何故、病院での治療に効果が見られなかったのでしょうか?
実はホットパックで腰を暖めると言うのは、私が腰椎の整復前に行なった腰部脊柱起立筋の弛緩術がそれにあたります。

まず病院で行なわれる腰の牽引は、弛んだ鎖を両方から引っ張り、真っ直ぐにするわけではなく、ほとんど偶然にもとの位置に戻るのを期待したものです。
なので、その患者さんの状態にもよりますが、すぐに治るとは限らず数ヶ月を要しても完治に至らないことも考えられます。

だったら強さをもっと強くしたらと思われる人もおられるかもしれませんが、腰椎だけのことを考えるわけにはいきません。

その周囲には筋肉繊維や腱があり、体表に近づけば動静脈・毛細血管などもあります。
種々の神経やその受容器なども存在しますから、あまり強い力で牽引するのは危険です。

つまり、ズレた腰椎が偶然もとの位置に戻るのを期待して行う治療なので、その偶然がない場合は数十回通院しても完治は見られません。

次に鍼灸院で行った鍼治療は、痛みや運動障害の原因となっている筋肉を改善しようとするものです。
鍼治療では、骨のズレを整復することはできません。

まとめ

今回、Tさんの場合は画像検査で骨の異常が見つかったため、筋肉疲労由来の特発性腰痛とは誤診されませんでしたが、珍しい症例でした。

当院を訪れられる患者さんでは、この逆のケースもよく見られます。
病院では筋肉疲労由来の腰痛と診断されたにもかかわらず、筋肉に異常がなかったという場合です。

ギックリ腰と自己判断され、触診してみたら円背姿勢が原因で、それを支える筋肉が著しく緊張していたりするのです。
どちらの疾患でも当院が扱う領域ですので、病院などでの診断や治療に疑いをお持ちなら、一度ご相談ください。

注意:
本文では誤解を招くため、神経と統一しましたが、神経の束である脊髄から出たものを神経線維と言います。
医学用語では働きを示す場合を神経、物体を示す場合に神経線維を使います。
更に神経には2種類あり、一方は関節運動を司る運動神経と、もう一つはその支配領域の感覚を司る感覚神経が存在します。
以上のことは一般にはなじみが薄いため、神経と言う言葉で統一させていただきましたが、不明瞭な点がございましたらお気軽にご相談ください。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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  • 腰痛の原因になる歩き方

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