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腰痛は姿勢の悪いことが原因!気づいていない患者さんの例
- 2019年05月16日
- 先月は、スポーツをしているにも関わらず、いつの間にか教科書に出てくるような腰痛疾患を起された症例をご紹介しました。
今月は姿勢が悪いことにより、腰痛を発症している実例をご紹介します。
実は、姿勢による腰痛は、当院で扱うことが一番多い症例になります。腰痛は姿勢の悪いことが原因
以前にもお伝えいたしましたが、姿勢の悪さから腰痛を感じている人の中には、肩こりを感じていない人が半分ほどいらっしゃいます。
腰だけではなく、背中も曲げられて生活している人が目立ちます。
このような姿勢の悪さが原因で、首・肩・背中から腰が正常な姿勢とは反対に曲がってしまいます。
また、その周辺の筋肉が異常に伸展してしまい、血流が悪くなり、萎縮とまではいかないものの硬く張ってしまいます。
何度も述べさせていただいておりますが、背骨や腰の骨のことを椎骨と言いますが、背部の椎骨を胸椎と言い、腰の椎骨を腰椎と言います。
椎骨の前方を椎体と言い、後方を椎弓と言いますが、椎骨は背と腰を合わせて全部で17個存在し、上下の椎体の間に存在するのが椎間板と呼ばれるクッション材です。
後方の椎弓には神経の束である脊髄が存在し、左右に各領域を支配する神経の枝が椎骨と椎骨の隙間から出ています。
椎骨間の隙間のことを椎間孔と言いますが、これは人工的な丸い穴ではなく、極小さな凹凸があり、前方(椎体側)は広く開いていても後方(椎弓側)は狭くなっています。
姿勢が前方に傾くと、正常時よりそれより上部の体重が椎間板に加わるのですが、その状態が長引いただけ背腰部の筋肉は弛緩し、慢性化すると筋肉は萎縮傾向を示します。
そうなれば大変!体操や運動で背を背屈しようとしても以前ほど反れないことになるわけです。
更に加齢により椎間板が薄くなってしまうと、若い頃に比べて椎間孔が狭くなり、更に体重増加や腰が曲がることにより、いっそう椎間板が薄くなってしまいます。
通常よりも更に薄くなった椎間板のせいで、その分だけ椎間孔が狭くなり、狭くなった椎間孔では神経線維が圧迫され、違和感や痛みなどを生じさせてしまうのです。
そのような人たちは施術により背や腰が真っ直ぐになっても、腰が伸びたのは自覚できても、身体全ての姿勢が良くなったのが自覚できず、日常生活をおくるうちに再び背や腰を丸められるのです。実例紹介
草津市在住Tさん 41歳(当時) 女性。
お仕事は、朝8時半から夕方5時半まで、1日8時間ほどデスクワークをされています。
勤務中は別部署に行ったりトイレに立ったりするくらいで、ほとんど椅子に座った状態での仕事になります。
同僚の方には、肩こりがひどい人も多いそうですが、Tさんは同じようなデスクワークをしていても「あまり肩こりは感じたことがない」とおっしゃっていました。
しかし、時々腕が重たく感じたり、人差指と中指の動きに違和感を感じることがあるそうです。
また1年ほど前から、椅子から立ち上がる際に腰とお尻に痛みを感じ、立ち上がると数秒間その状態で悶絶してしまうことが続いていたそうです。
そのまま少しすると徐々に痛みが消えるので、あまり気にせず病院などには通院はしていませんでした。
その後、歩行時や就寝時にも痛みが出るようになったため、整形外科に通院し治療を行ったそうです。
しかし、改善されないことに不満を感じたため、ホームページから当院を知り来院されました。当院の治療
初診の際に、痛みを感じる部分をうかがいましたが、一部分が痛いわけではなく、腰辺り全体に痛みを感じているようでした。
実は、腰痛の人の中には、姿勢が悪いことを自覚されていない人も多くいらっしゃいます。
その場合、当院では姿勢の悪さを認識してもらうために、骨格模型を使い、正しい姿勢をご説明しております。
まず、模型の首から背中、腰から殿部までを指でなぞってもらい、正常な背中のカーブを認識してもらいます。
その後、患者さんの背から腰を触り、正常なカーブが失われて、逆に突出していることをお伝えしております。
ほとんどの患者さんの場合、普段の生活で姿勢が悪いことを指摘されないため、自身の姿勢が悪いことに驚かれます。
Tさんも普段の生活で、人から姿勢が悪いとは言われたことがないとおっしゃっていました。
なので、普段人から姿勢が悪く見えないのは、「膝を曲げ前後のバランスを取るため、背と腰が曲がってないように見えてしまう」からだとご説明しました。
次にベットで仰向けになってもらい、股関節と膝が曲がっていることも認識してもらいます。
そこから、実際の施術に入ります。
今回の治療では、肩・背中・腰の柔軟性を取り戻すことが重要でしたので、まず骨に貼り付いている硬くなった筋肉の血流改善を行い、筋肉を正常化することから始めました。
施術開始から1時間後に胸腰椎の整復術で行いましたが、柔軟性を完全に回復させることはできませんでした。
1回の治療で、完全に回復できる場合もありますが、多くの場合は、数回に分けて治療を行います。
Tさんの場合は、「休日しか通院できない」とのことでしたので、週に1度治療を行い、柔軟性が完全回復するまでに3週間お時間をいただきました。
2度目の施術で腰痛は完全に消えましたが、柔軟性は60%程度の回復具合で、まだ自然なカーブが取り戻せていませんでした。
なので、もう1度来院の予約をしてもらい、3度目の施術では背・腰の治療だけではなく、首や肩上部、更に腕と足の施術を行いました。
Tさん本人は、重さを感じていた腕や足の軽さは認識されていましたが、やはり「首や肩が楽になったのかどうかわからない」とのことでした。
治療当初から「肩凝りは感じない」とおっしゃっており、ご自分の姿勢の悪さも認識し難いと言うことでした。
肩こりや姿勢の悪さを自身で認識できていない場合は、知らないうちに症状が悪化する危険があります。
そのため、Tさん自身でできる予防のための柔軟運動をお伝えし、それでも「手で腰椎の出っ張りが触れるようになったら再度来院してください」とお伝えしました。
その後は、来院するペースも少しづつ少なくなり、現在は半年に1度のご来院いただいています。
おそらくもう少しすれば、自身で再発予防をすることができるのではないでしょうか。まとめ
今回紹介した患者さんは、特に重篤な症例ですが、年齢の若い方であれば、1度の施術で完治する可能性も高くなります。
また、再発予防のための通院が必要ないこともあります。
こちらをお読みのあなたも腰痛を感じることがあれば、姿勢を正し、手を後ろに回して、腰の骨が触れるかどうか試してみてください。
もし触れるのなら姿勢が悪くなっているため、姿勢を矯正しなければ、腰痛がいつまでも治らない原因になります。
著者プロフィール

兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。