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【実例】病院で手術が必要と診断された腰痛患者さんの治療
- 2020年03月18日
- 腰痛に重点を置いた記事を掲載した結果、既に幾つかの医療機関を受診し、自覚症状と現在の治療内容に疑問を持たれたり、先の展望に不安を持たれた人が多く来院されました。
その中で、このホームページの【手術に躊躇いのある方はどうぞお尋ねください】という見出しに着目された人がおられました。
お電話いただいた人は患者さんの息子さんでしたが、突然の腰痛に苦しまれ、街の整形外科クリニックを受診され、神経性腰痛の腰部脊柱管狭窄症と診断されたそうです。
そこで今回は、医療機関で重篤な病名を告げられ、手術を勧められた人を治療した例をご紹介します。脊柱管狭窄症とは
胸椎や腰椎の後方には脊柱管と呼ばれる空洞があり、頭部からその脊柱管を下ってきた神経の束である脊髄が存在します。
人の頸部や背や腰は横から見るとS字をしていることにより、頭部や上半身の体重を旨く逃がしています。
頸部から殿部の一部である仙椎までは脊柱と言い、上記の状態を自然なカーブと呼びます。
この自然なカーブが失われると、脊柱管の中ではそれまでは何とも無かった部に異変が生じてしまいます。
自然なカーブにより余裕があったはずの管内が損なわれたことにより、脊髄に圧迫が加わったり、
上記以外でも身体運動の少ない人では、個々の胸椎や腰椎を括っている靱帯が骨化してしまうのです。
骨化下靱帯は更に体積を増加させ、脊柱管の内腔を狭め、脊髄を圧迫してしまい、神経の支配領域に於いて痛みなどの悪影響を与えます。腰部脊柱管狭窄症と診断された患者さんの施術
来院された患者さんは、脊柱管狭窄症と診断された際に、治療には手術が必要と説明を受けました。
お住まいの市の総合病院でも幾つかの画像検査により、脊柱管狭窄症であることに間違いがないと手術の必要を説かれ、仕方なく入院を予約されていました。
ですが問題が一つ。
患者さんご自身は心臓やその他の臓器に疾患をお持ちでした。
遠方にお住まいの息子さんに現状を打ち明けたところ、手術と聞いて心配されたご子息がインターネットで腰痛と検索した所、【手術に躊躇いのある方はどうぞお尋ねください】という見出しがある当院のホームページにたどり着きました。
後日当該の患者さんが来院されたのは、手術予約日の9日前のことでした。
入院予定は4日後と迫っており、渋るお母さんを説き伏せ、「ここで治らなかったら、諦めがつくだろう」と半ば強引にお連れになられたのです。
患者さんはまるで洗脳されたように「手術しか治す方法が無いんだから」と問診では少し非協力的でした。
触診で得られた患者さんの背腰部は自然なカーブが失われ、殊に第四腰椎(L4)の大きな飛び出しと、更に上位に位置する筋肉の著しい過緊張が見られたのです。
最初のクリニックの医師や病院の医師が脊柱管狭窄症と診断されたのは、腰部の骨(腰椎)のL4が著しく後方に飛び出していたからに相違ありませんでした。
病院での診断は、永年の悪い姿勢のため、後方に飛び出してしまったL3の部分で脊髄が圧迫され、痛みやその他の身体の不調の原因になっているという診断でした。
しかし当人はその位置ではなく、胸の骨(胸椎)と腰椎の移行部から下位腰椎までの痛みを訴えられていました。
触診では打腱槌(叩く部がゴムになった小さなハンマー)を用い、痛みを訴えられる範囲の胸椎や腰椎を叩き、発症部位の特定に努めましたが明らかな差異は認められません。
とりあえず全ての胸椎と腰椎の間の関節(椎間関節)の柔軟性の回復を図るため直側の筋肉を緩ませようと揉捏を加えたところ
驚くことに、筋肉の緊張緩和の50%ほどで、胸椎の飛び出しがほぼ改善されました。
「では腰椎も」と同様の手技を加えました所、胸椎と同様の結果は得られなかたものの、少ないながらも幾らかは飛び出しが良くなりました。
軽度な脊柱矯正術を幾度か繰り返し、自然なカーブとはいかないまでも大きく飛び出すような腰椎は見られなくなったのです。
施術中何度かご当人は、「アレッ!?、だんだん痛みが小さくなってきた気がします」とおっしゃられておりました。
「ではもう少し」と徐々に圧力を加え、更に椎間関節の隙間を広げようとしたところ、ご当人が「ちょっと立たせてください」とベットから降りられました。
その時点で立たれた姿は訪れられた際の前傾姿勢から、まるで若返ったように真っ直ぐになっていたのです。
「痛みの具合はどうですか?」と尋ねる私に、「殆ど消えてます!」とおっしゃいましたので、まるで私は狐に抓まれた気分になったものでした。
数人の専門医が[腰部脊柱管狭窄症]と診断したはずなのに、筋肉を揉み解しただけで腰痛が殆ど消えるなんて、普通ではありえる事ではありません。
何にしても腰痛が改善できたのですから、患者さんやご家族は喜ばれていました。
その後ベットに戻ってもらい、更に幾度かの揉捏で筋肉を緩ませ、脊柱矯正術を図りました。
その結果、大きく飛び出していたL4が完全に引っ込み、胸腰椎は一直線となられました。まとめ
一度の施術でこのような結果が得られるのは非常に珍しいことですが、背腰部の姿勢の悪さが原因で筋肉性腰痛になっていた可能性があります。
筋肉を緩ませただけの一度の治療で、自然なカーブとは反対に飛び出していた胸椎や腰椎と大きく飛び出していたL4が、真っ直ぐになった事が証明をしてくれています。
患者様が診断を受けた頃はまだ椎間関節の柔軟性は幾らか保っていたのでしょう。
受診されたクリニックや病院では、問診や画像検査により[腰部脊柱管狭窄症]と診断したのでしょうが、筋肉疲労由来の痛みだった可能性が高いのです。
整形外科での手術とは、脊髄を圧迫していると思われる箇所(多くは骨や周辺の組織)の削除が主で、それを行なうには皮膚や筋肉を傷つけなければなりません。
もしこの患者さんが当院を受診されず、手術をして脊柱管の中を削ったりしても腰痛は消えなかったでしょう。
それどころか、手術により皮膚や筋肉を傷つけ、不要な骨の削除をしたなら、その部は何も手をつけてないところに比べ、弱体化してしまいます。
現在ではセカンドオピニオンと言う言葉が一般化しております。
患者ご自身の苦痛と医師の見解に相違があると思われたら、他の医療機関を受診されることをお勧めします。
後日、今回ご紹介した患者さんは手術と入院のキャンセルをされたそうです。
当院での最初の治療終了後には、再び背や腰の自然なカーブが失われた頃の再来院をお約束いただきましたが、もし息子さんが当院を見つけられていなければ、不要な手術をすることになっていたのは間違いでしょう。
著者プロフィール
兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。