滋賀県、腰痛治療

新着情報

腰痛が長期間続く原因とパターンは?実例と再発防止方法もご紹介!

2020年05月15日
先月までは腰痛のため病院の治療を受けたものの、再発を繰り返すため、当院を受診し改善した症例をご紹介してきました。
腰痛の原因が他の部位だったり、腰痛を取り去るには手術しか方法がないと言われた人でも、当院の治療で改善できた症例でした。

どの患者さんにも完治後、再発予防のために健全な身体作りを指導していますが、中でも体操が一番重要な手段となります。
体操で身体の柔軟性の維持と筋力の強化が図れれば、外傷以外で神経や筋肉疲労由来の腰痛は起こり難くなると言えるでしょう。

しかし訳あって上記の運動が困難だったり、治療以後に別の疾患を生じられたりして長期間の継続治療を余儀なくされるパターンがあります。
今回から上記のパターンを数回に分けてご紹介していきます。

腰痛が長期間続く原因とパターンとは?

腰痛が長期間続いてしまう、原因とパターンは以下の通りです。

・脊柱狭窄症
 運動不足、筋肉未発達
・ギックリ腰
 体を酷使している、腰に疲労が溜まる
・分離すべり症
 運動などによる怪我

今回は、脊柱狭窄症が原因の腰痛をお持ちの患者さんで、運動不足・筋肉未発達により治療が長期間続いてしまったパターンです。

腰痛が長期間続いてしまった実例

患者さんは大津市在住のTさん 66歳の男性で、職業は商店主をされてます。
ご商売は事務機器などの販売で、公共施設や中小の企業の会社を相手のお仕事です。

初診での問診では「足が痛くて動かせない」と言うことで、椅子に座ることも辛いようなのでベットで寝た姿勢での問診でした。
ところが問診や触診で多くの疑問点が出てきました。

足の触診では股関節から足首までの筋肉は細く、受傷前の身体を知らない私はこれが萎縮なのか、若しくは先天的に正常人よりも細かったのか判断できませんでした。

腕などを触れても判断がつきにくいため、已む無くズボンを脱いでいただき、軽擦法や按捏法と呼ばれるマッサージで足の血流を改善しました。
筋肉の弾力性を取り戻せ、私の腕で抵抗を加えて自動的な足の可動時の筋肉の膨隆の度合いを確かめ、先天的に筋肉の発達が未熟だと言うことが判明しました。

以上のようなことをお伝えするとTさんは、漸く先天性虚弱体質のことを打明けてくださいましたが、「まだ隠していることがあるのでは?」と詰め寄ったのです。
お判りだと思いますが、患者さんの身体状況を知らねば疾患の改善はおろか、怪我を与えてしまう可能性があるからです。

そして腰の治療の不可欠さを伝えるために、私は以下の4点をTさんに伝えました。

1.筋肉の萎縮とは
筋肉は弛緩した状態では血液から栄養などの供給を受けられ、緊張することで筋肉活動を行ないます。
過度な筋肉疲労などで筋肉が硬く張ってしまうと、弛緩すること無く力を入れた状態が継続することになります。

やがて関節運動が困難になった筋肉では、筋肉活動も少なくなります。
運動しない関節に関わる筋肉では、エネルギーの必要がありませんから血流が減少し、結果 筋肉量が減少し、やがては硬くなりますが、これを萎縮と言います。

元の状態にするには筋肉の深部から揉み解さねばなりませんし、勿論血流改善も果たさねばなりません。

2.先天性筋肉未発達
萎縮とは違い、程度が低く張った筋肉では血流改善により直ちに弾力性が改善し、その人の受傷前程度の筋力を発揮します。

Tさんは仕方なくと言う感じで以下のようなことをおっしゃりました。
Tさんは先天性の虚弱体質でしたが、若い頃はまだ無理が効いて、当時は将来の不安は何も感じておられなかったようでした。

ところがバブル期の無理が祟り、時々腰痛を感じられるようになりました。
商品の搬入や重たいサンプルを抱え外商に出かけることが多かったため、外出先で腰痛を感じ、商用車から降りることができなかったこともあったようです。
腰痛のため息子さんに外商を任せることもあったそうですが、翌日には復帰されてました。

今から25年ほど前から腰痛が慢性化し、姿勢を正しくすることが困難になられ、市の総合病院の整形外科を受診されました。
幾つかの画像診断で[脊柱管狭窄症]と診断され、すぐの手術を勧められましたが、予後に不安を持たれ、腰にコルセットを装着することで手術を避けられました。

手術を避けたいTさんは、以後は仕事に差し障る腰痛を感じてもその病院を受診することは無く、街のクリニックで電気療法などの対処療法を受けておられたのです。

更に数年が経過し、腰痛以外に股関節周辺や膝に痛みを感じられたため、鍼灸治療や接骨院などの治療を受けられ際立った改善が見られなかったことから当院を受診されました。

問診では故意に以前通われていた病院での所見やその後の経過はおろか、腰痛を治すには手術が必要と洗脳?されておられたため、「腰が痛い」とはおっしゃらなかったのです。
しかし足の疾患の原因は腰由来なのは明らかで、仮に足だけを治療しても症状が再発することも明らかでした。

3.何故足の症状が腰由来なのか
腰=腰椎は全部で5個あり、腰椎間の関節を椎間関節と言いますが、特に3番から5番までの関節の隙間から足を支配する神経が出ています。

背や腰は正常ならば横から見るとS字をしており、これを自然なカーブと言います。
腰の部で腰椎がこの自然なカーブが失われますと、椎間関節の隙間から出た神経が傷害されます。

神経には感覚を受容する神経と関節の動作に関わる運動神経があり、神経が圧迫や障害されると痛みを生じ、更に関節運動も傷害されます。
筋肉疲労だけでも足の関節運動が障害されますが、過酷な運動でも行なわない限り考えられないことです。

4.外科的手術とは
皮膚を切開し、神経が圧迫を受けている部位の骨を削ったりして空間を広げることが行われます。

以上のようなことをTさんに伝えたところ、「腰痛が治るのですか?」と疑問を持たれたのですが、私は触診から得られた情報から「腰痛の原因は背や腰の正常なカーブが失われたのが原因」とお伝えしました。

コルセットの装着にも拘らず、Tさんの背や腰は大きく後方に飛び出し、特に腰椎は上位から注意の背の骨(胸椎)の数倍飛び出しておられました。
「どれだけ改善するか判りませんが、今よりは楽になるのでは」とお応えし、全身の施術のご了解をいただきました。

その後の施術ではベット上での俯き姿勢が困難だったため、横向き姿勢で足の正常化を試みることにしました。
※ 長文になりすぎますので、治療につきましては省略させていただきますが、ご興味がありましたらご連絡ください。

施術により或る程度は股関節も膝関節も他動的可動域の改善が図られ、俯き姿勢が可能になったことで背腰部の矯正に取りかかりました。
長期間腰痛を堪えられたせいで、コルセットに覆われていた背や腰の筋肉はまるで紐のように細く、身体活動はおろか、上半身の体重を支えることもできない有様でした。

矯正術を行なうのにも問題があり、骨の脆弱性と固定化が酷く、通常の施術よりも圧力を調整しなければなりません。
一度目の治療では上位胸椎から上位腰椎までを60%程度は矯正できましたが、一番飛び出している部は殆ど変化がありませんでした。

それでも股関節と膝関節の筋肉の状態が改善したことで、足の痛みは殆ど感じられなくなったようです。

腰痛の改善が見られたのは4度目の来院時でした。

まだ腰椎は60から70%のできでしたが、「これならコルセットを外せる」とおっしゃり、お喜びになられて帰宅されました。
なのに次の来院時には胸腰椎の飛び出しが元の状態ぐらい戻っており、止めるはずだったコルセットを再び巻いておられたのです。

原因を尋ねると、「巻けば骨の飛び出しが防げる」と思われたそうです。
私は唖然となり、次の言葉がなかなか出てきません。

何故なら、自然なカーブが取り戻せたとはまだ言い難い状態ではありましたが、前回の治療後の状態でも上半身を支えるため筋肉は発達が見込まれるはずです。

にも拘らずコルセットを装着すれば、姿勢の維持をコルセットに頼ることになります。
ですから筋肉の発達が見込めるはずも無く、腰痛を再発させられても不思議ではありません。

腰痛が長期間続く場合の再発防止方法をご紹介!

まだ当時は再発予防の運動などは指導してませんでしたが、「コルセットを使わずできるだけ良い姿勢を取るように」と指示してました。

結局治療は数段階後退し、以前のような脊柱矯正を図りました。
Tさんの腰椎は五度目の来院時から容易にベット上でも立位姿勢でも真っ直ぐ垂直までにはなりましたが、まだ自然なカーブとは言えません。

腰椎は自然なカーブだとS字の大きく凹んだ部に相当しますから、現状では「もう少し」なのです。
当然のことですが、再発防止の運動などはまだ行なえません。

自然なカーブでないと、椎間関節の隙間が充分ではないからです。
六度目の来院は一ヶ月を過ぎた頃でした。

「多少の無理が効くようになったから」と言い、前回の帰宅前に取られていた予約のキャンセルの理由をおっしゃいました。
初回から四度目の来院はご予約いただきましたが、五度目以後は当日の予約状況をお電話で確かめて来院されます。

その頻度は徐々に開き、今は強い腰痛を感じるようになってからお電話をいただくようです。
当然ですが、以後も腰椎の状態は数段階元に戻り、来院される都度、脆弱な腰椎の矯正を図ってますが、Tさんはそれが普通とお考えのようです。

故に治療終了の見込みが立ちません。

まとめ

Tさんの[脊柱管狭窄症]の原因は腰椎の自然なカーブが失われたため、正常ならば神経の束である脊髄の治まる部(脊柱管)の内腔が狭まったために生じているものでした。

従って自然なカーブが取り戻せれば腰痛の原因も取り去れるのですが、骨が脆弱なため、歪に飛び出した腰椎の整復に期間を要するのでした。

Tさんはおそらく完治と言うことは念頭に無く、一時的ではあっても腰や足の痛みだけとれれば良いとお考えなのでしょう。
と言うことならTさんは、完治を見ても多忙を理由に、運動などは行なってはもらえない可能性もあります。

現状のままだと筋肉の発達は望めず、転倒などでコルセットにより弱体化した背腰部の骨折などの可能性も無いとは言えないでしょう。
通院回数はもっと重篤な人より多く、施術に要した総時間はとっくに完治を見る程なのです。

将来のことを考えて治療に専念していただきたいのですが、まだ頭の中に「脊柱管狭窄症を治すには手術が必要」の洗脳を解かねばならないのかもしれません。

著者プロフィール

プロフィール画像

兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

お気軽にお問い合わせください tel:090-9217-2959 WEBサイトの営業電話はお断りしております。

  • 腰痛の原因になる歩き方

当院のご案内

兼田治療院
〒520-1111
滋賀県高島市鴨(宿鴨)2191番地
その痛み諦めないで。兼田治療院へご相談ください!
  • 滋賀県で腰痛治療やヘルニア改善を専門におこなっている当院では
    肩の痛みや膝・関節の痛みなど慢性痛の緩和を目的にマッサージ施術しております。
  • tel:090-9217-2959 営業時間  8:30~21:00 不定休 時間外受付もご相談下さいWEBサイトの営業電話はお断りしております。

ページの先頭へ