滋賀県、腰痛治療

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腰椎分離すべり症で慢性腰痛に!?長期化を最小限に食い止めるには

2020年08月24日
前回は事故で椎骨のズレを生じ、整形外科による治療では改善せず、当院の治療で腰痛が完治したものの、以後の生活で違う種類の腰痛が慢性化した症例をご紹介しました。

ご本人のモチベーションで再発予防ができるものが、お仕事を理由に実行されず、治療が長期化する症例でした。
二ヶ月にわたり私がお勧めする再発予防の運動が行なえれば、腰痛に苦しまずに済むものでした。

腰痛が長期間続いてしまう、原因とパターンは以下の通りです。
・脊柱狭窄症
運動不足、筋肉未発達
・ギックリ腰
体を酷使している、腰に疲労が溜まる
・分離すべり症
運動などによる怪我
今回は学生時代に腰椎分離すべり症を生じ、当院の治療と後の再発予防で暫く腰痛の再発が無かったものが、内臓疾患や心の病で治療が長期化した特殊な症例をご紹介します。

腰椎分離すべり症とは

同意語として脊髄分離すべり症や椎弓分離すべり症とも言います。

腰椎を平面で見ますと、前方(腹部側)は太鼓のように太く、これを椎体と言います。
後方(背側)は脊髄を納める空間が縦に開いており、更に後は木の枝のような骨が出っ張っています。

これを椎弓と言います。
椎体と椎弓の境は括れており、腰椎分離すべり症ではこの部で骨折が起こり、縦方向に椎体と椎弓が分離します。

ご存知のように椎体と椎体の間に椎間板が収まっており、前述のように椎弓の縦に開いた空間には脳から下る神経の束である脊髄があります。
骨折で前と後に二つに分かれた腰椎では、脊髄の前方があらわになります。

神経には感覚を司るものがあり、すべり症が生ずる前は起こらなかった神経への圧迫が腰の動きで起こることになります。
多くの場合は腰を曲げることで起こり、椎体は上半身の体重を支えてますから動くことはありません。

但し、椎弓側は背側の筋肉が起始していたり停止してますから、背腰部の動きにより通常位置から離れることになります。

※起始・停止とは、筋肉の始まりと終わりの部とお考えください。
露出した脊髄では圧迫による刺激を受容し、痛みとして脳に伝えます。
症状が重篤化すれば腰痛以外に足にも症状が現れ、歩行も困難になります。
この場合の整形外科での治療は、ボルトによる椎弓の固定が選択されます。
欠点として固定により、上半身を支える骨は正常人よりも弱退化すると言われております。

腰椎分離すべり症が原因で腰痛が長期化してしまった実例

当初は再発予防が成されていたものの、訳あって再発予防の運動ができなくなった症例。

京都市在住のHさんは初診当時21歳の女性で、大学の陸上競技の選手でした。
走り幅跳びの練習で、跳躍後の着地から立ち上がれなくなりました。

傍にいた仲間の介助で起きようとしても、腰に鋭い痛みがあって動けません。

救急車を呼んで病院に担ぎ込まれ、検査の結果は腰椎分離すべり症でした。
着地の衝撃で、腰の骨(腰椎)の4番目が前後に分離したとの診断です。

ボルト固定の手術の選択肢もありましたが、身体にメスを入れることを嫌がられ、弾力性のある腰バンドの装着で暫く腰痛を最小限に抑えてこられました。
当然のことですが、選手生命は絶たれることになりました。

以後のHさんは大きく体幹を動かすことをできるだけ避けられ、腰痛の再発を予防することに努められました。

しかし日常生活や社会生活で全く体幹を動かさないわけにはいきません。
腰痛を感じたら姿勢を反らし、体重が背側にかかるようにしておられましたが我慢できるようなものではなかったため、縁あって当院を受診されました。

治療では第4腰椎の関節(L3・L4)の支配領域の諸筋肉の緊張緩和を図り、次いで背腰部の諸筋の緊張緩和を図りました。
そして脊柱矯正でズレた第4腰椎の椎弓を元の位置に整復し、再発予防の運動を指導しました。

当時のHさんの身体は、柔らかく、筋肉も正常人よりも立派でしたので、柔軟運動はせずに筋力強化の運動だけで目的は果たせました。
「これなら大丈夫」とおっしゃり、今後も運動の継続をお約束いただき、施術は初回の治療だけで終わりました。

それが一昨年、再び当院を受診されました。

慢性腰痛を緩和する運動で腹部に違和感?

初診当時は学校はまだ在籍されてましたが、数年経過した再来院時は社会人になっておられました。
学校を卒業して数年、鋭い腰痛は感じられなかったようでしたが、起床時に僅かに腰の違和感を感じておられたようです。

ところが食事後の胃もたれと強い違和感を感じるようになり、私が指導した運動が原因だと思われたようです。

以後は運動の回数を減らされ、腹部の症状が無くなることを期待されてました。
しかし腹部の症状は改善せず、結局運動を中止してしまわれました。

私が指導する運動では過度にやり過ぎだったとしても、背や腰の筋肉が疲労することはあっても、腹部に違和感や増して食欲の減退に繋がることはありません。
指導した運動では背腰部の筋肉は緊張し、腹部の諸筋肉は弛緩せねばなりません。

ですから、腹部に違和感などは感じることは無いのです。

当然来院の二日前から鋭いものではなかったようですが、また腰痛を感じるようになられました。
触診では人が違ったように痩せられ、食が細くなったのを物語ってました。

それでも運動を再開していただくことが腰痛を抑える唯一の方法ですが、腹部の症状を先に解決せねば納得して行動してはもらえないと考えました。
主訴が腹部の違和感と腰痛でしたので、私は消化器系の疾患と考え、内科の受診を勧めました。

以後、Hさんは一年ほど顔をお見せになられませんでしたが、昨年の暮れ、お母さんと一緒に来院されました。
何か人が違ったようなHさんは殆ど声を発せられることは無く、替わりにお母さんが以後の経過を説明してくださいました。

お話の内容とは、消化器内科を受診され、胃十二指腸潰瘍と診断され、当初は投薬治療だけだったものが、目立った改善が無かったため大学病院を紹介されたそうです。
大学病院では検査のため一ヶ月ほど入院され、退院後も通院を支持されました。

同時期にHさんご自身の判断で、体調不良を理由に勤められていた会社を退社し、消化器内科と同時にご家族の勧めで心療内科の治療も受けておられました。
三度目の来院は身体を動かす際に腰痛のため、苦痛に歪む娘の顔を見るに見かね、お母さんがHさんを説得し、連れて来られました。

治療は簡単に腰椎の整復が行なえ、支配領域の筋肉も弛緩すさせることができましたが、Hさんの様子を見る限り、再発予防の運動ができるとは思えません。
ご本人に運動の再会を促しても、反応は小さく、意思の疎通ができているとは思えません。

「指導した運動をやってた時は腰痛は無かったでしょう?」と更に促しても、反応は殆どありません。

結果、今回の治療後に以前使っておられた腰バンドの使用で、できるだけ腰椎のズレを抑えていただき、腰痛の再発時にまた来院していただくようにお母さんにお伝えしました。
三度目の来院から数ヶ月過ぎましたが、以後は二度ほどお母さんの付き添いでお越しになられてます。

まとめ

私の推称する運動は、分離している椎弓側が、正常位置から大きくズレないようにするものであり、同時に背腰部の柔軟性も高めることができます。

運動を継続していただくことができたなら、仮に前屈姿勢で腰痛を感じることがあったとしても瞬間的なものであり、姿勢を戻せば椎弓は正常位置に戻ります。
ですから、常に腰痛を感じることはありません。

Hさんは学生時代に怪我で陸上選手生命を絶たれ、今度は内臓疾患で自主的であっても職場を失われました。
二度のアクシデントに見舞われたのですから、ショックは大きいとは思いますし、付き添ってきてくださったお母さんの心労も伺えます。

しかし、私が指導した運動を行なっていた期間は腰痛が無かったわけですから、気を取り直して行なっていただければ、腰痛だけは改善できるはずです。
私は内臓疾患のことは判りかねますが、腰痛を感じなくなれば、身体の心配の一つが無くなるわけですから、ご本人にとっては損にはなりません。

Hさんの場合、精神状態が大きく関わっていますので、克服する日を待つしかないのでしょうか。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

お気軽にお問い合わせください tel:090-9217-2959 WEBサイトの営業電話はお断りしております。

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