滋賀県、腰痛治療

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肩凝りで生じる頭痛とその原因

2020年09月28日
普段当院に来られるのは腰痛患者さんが大半を占められるのですが、今年の4月から現在まで上半身の凝りが原因と思われる人が多く見えられます。
取り分け肩凝りでは症状は様々で、首や肩、腕などの症状をおっしゃいますが、一番辛いのが頭痛のようです。

来院された人の中には先に病院を受診された人もおられ、一般の検査では納得がいかず脳ドックを受けられた人もおられます。
にも拘らず頭部に異常が見つからず、鎮痛剤の処方を受けておられたのですが、眩暈や嘔気も感じるようになって、幾つかの医療機関をめぐられた人もいらっしゃいました。

そこで今回は肩凝りでなぜ頭痛が起こるのか、その原因と実例をご紹介していきます。

肩凝りで頭痛が起こる原因

肩凝りは主に首や肩の血流が悪くなることで起こります。
実はその血流が悪くなることが、頭痛の原因にもなっています。

そのため肩凝りからくる頭痛を改善するためには、頸部の血流改善を行わなくてはいけません。

肩凝りからの頭痛が辛くて当院を受診された方も、施術後には頭痛は無くなり、頭が軽く感じスッキリした表情で帰宅されています。

では実際に肩凝りで頭痛が起きる詳しいメカニズムをご紹介します。

肩凝りで頭痛が起こるメカニズム

頭痛が起こるメカニズムをお話する前に、まずは血流とはどのようなものかをお知りいただく必要があります。

心臓と血管は自律神経によって支配されており、血管は延髄にある血管運動中枢の支配により血管系が変動し、秒単位の速さで血流量が調節されています。
自律神経の交感神経は心臓の機能にたいして促進的に作用し、副交感神経は心臓にたいして抑制的に作用して血管を拡張させます。

動脈管には圧受容器が存在し、血圧が下がりすぎたり、血液量が不足すれば交感神経が作用し、恒久的に血圧は安定した状態で維持されます。

余談ではありますが、血管壁も血液により栄養されており、血量が減少すると血管壁も脆弱になります。
脳の血管が脆弱になれば、脳内出血などの脳卒中の原因になります。

簡単な説明でしたが、これである程度血流についてご理解いただけたのではないでしょうか。

次は脳やその他の臓器に痛みを生じさせる原因をお伝えします。
自律神経のはたらきで、目的とする筋肉や臓器などの組織に栄養を与える血液量を調節しているわけですが、ここでは筋肉を例としてご説明します。

筋肉は活動していない時は血液量を少なくしても問題ありませんが、筋肉活動が活発な時に血流量が少ないと、負荷が重く感じたり、著しい場合は筋肉そのものに痛みを生じます。

これを深部痛と言います。
表皮が受傷した場合等に起こる痛みを表在痛と言い、局在性がはっきりしており、受傷した場所に限定した痛みです。

一方深部痛は、体内の組織が刺激されて生じる痛みでありますが、一般に局在性に乏しく、持続的な疼くような鈍痛で、内臓痛に近い性質を持ちます。
この中には激しい運動後や、筋の循環障害による筋痛、脳の血行障害や脳圧の変化などによって起こる頭痛などがあります。

器官や臓器の異変を受ける受容器は自立神経終末と言われ、神経伝達物質により障害を受けている箇所の存在を刺激として脳に伝えます。
筋肉の凝りなどで血流が滞り、必要とされる器官や臓器に血液が送られてこない時には上記の作用の如く、自律神経のはたらきにより血流量を増大します。

しかしそれでも筋肉の凝りなどで血流が改善できない場合、損傷された組織の細胞から局所的に化学物質が放出される事により、疼痛が起こると考えられています。
この化学伝達物質は、受容器に対して興奮性や感受性を高める作用を持つので、発痛物質と呼ばれております。

発痛物質の一例:「プロスタグランジン」「ブラジキニン」「セロトニン」「ヒスタミン」「アセチルコリン」など

筋肉の凝りなどで頭部や肩や腕、殿部や足の血流が悪くなり、痛みを起こす理由はこれでお判りの事だと思います。

この状態でただ鎮痛剤を服用し、痛みを止めただけなら脳やその他の組織に「ここに異常を起しているところがありますよ」と知らせている神経伝達を妨げるだけです。
このような血液不足が続き、細胞に栄養が行き渡らないと最悪の場合細胞壊死に繋がる事はおわかりでしょう。

では頭部の血流が悪くなり酷い頭痛を引き起こした実例をご紹介します。

肩凝りから虚血性頭痛になった実例

患者さんは、31歳女性のAさんです。
コロナの影響でテレワークを余儀なくされ、自宅でパソコン作業に従事されてます。

以下は問診でのお話を要約したものです。
会社での仕事とは違い、きりの良いところで休憩や食事を摂ることができ、「会社での仕事より効率が良い」と思われてました。

ところが根を詰めて仕事をしていたせいか、以前より頭痛が強く感じるようになりました。
頭痛は仕事が終わっても残り、以来慢性的な片頭痛を感じるようになってしまわれました。

或る日、あまりの苦しさのためグッと息をつめ頭に力を入れたら、嘔気までしたため、早めの就寝を決められました。
翌日起きても頭痛は無くならず、洗面所で顔を洗い、タオルで拭っていたら小さな嘔気がし、嘔吐しようとしても唾液しか出ません。

顔を上げ、タオルを戻そうと振り返ったら、景色が回り転倒する寸前でした。

以後の行動は、壁に寄りかけながら自室に戻り、体温計を探されました。
「冷房のせいでカゼでもひいたのでは?」と思われたのです。

ところが熱も無く、寒気すらしません。
「どんな病気に罹ったんだろう?」と不安になり病院を受診することにされました。

まだこの時点では原因が肩凝りだと思われてなかったのです。

弟さんの付き添いで、最初に受診されたのは脳外科でした。
当然ですがCT検査では脳には異常が見つからず、院内の他の科を受診されました。

最後の「ダメもと」で受診した整形外科で、あっさり「ストレートネックが原因ですよ」と診断されたようです。

※ストレートネックとは
正常な首のカーブが失われ、首の骨が真っ直ぐになっている状態です。
人の体を横から見るとアルファベットのSの文字のような形をしてます。
顔面を前方に向けると頭部を支える頸部は若干後に傾き、喉を前方に突き出したようになってます。
これは自然な身体のカーブと言われてます。
前傾姿勢では顔面は前に傾き、重心も前に移動するため、飛び出していた喉が後に引っ込みます。
つまり頸部が真っ直ぐ一直線になって、自然なカーブが失われたことになります。
上記のような姿勢を長くとると、頭部や頸部を支える筋肉は過緊張を余儀なくされます。
症状が進行し、過緊張していた筋肉は萎縮し、筋肉自体の長さも縮み、全部で7個ある首の骨(頚椎)の関節部の隙間が狭くなります。
可動性が失われた頸部では、姿勢を正しくしても、仮に背を反らしても、恒久的に頸部は真っ直ぐになってしまい自然なカーブが取り戻せなくなり、ストレートネックと呼ばれる状態になります。

問題はこれからで、総合病院では診断はついても、治療は血流促進剤と筋肉の緊張を解く漢方薬の処方だけだったようです。
頸部の自然なカーブが失われたまま、血流だけを改善しようとするものでした。

当然 頭痛や眩暈、嘔気などはすぐには治まりません。
仕事どころか家事までが疎かになり、ベットからなかなか離れることができませんでした。

ご紹介くださる人がおられ、当院を訪れられたのは整形外科で診断された約3週間後でした。
動きが制限されていたAさんの頸部の諸筋肉は、緊張を通り越えた萎縮の呈を成されてました。

私の触診では首の後側の椎骨動脈の圧迫では変化が無く、前方の総頸動脈の圧迫で平衡感覚を無くされたり嘔気を感じられるようでした。

以上のようなことから、総頸動脈の走行に存在する顎の開閉に関わる筋肉と、首を動かす筋肉を緩ませる必要があると考えました。
痛みに敏感なAさんに少しの我慢をいただき、血流の改善を図りました。

ベットからの立ち上がりや首を回す動作でも症状の再発が見られなかったことで、今度はストレートネックの改善を試みました。

頭部の首の付け根や肩側の首の付け根、肩上部や背部の諸筋肉を緩ませた跡、幾つかの伸頭法で頚椎間の隙間を広げることに成功しました。
ご自分で項に手を添え、自然なカーブが取り戻せたことをご納得いただいて治療を終了しました。

まとめ

Aさんは会社ではデスクトップのパソコンをお使いでしたが、自宅ではノート型を使われました。

ですから眼線が下がり、頸部は作業中は前方に傾いたままの姿勢を維持することになりました。
長時間の姿勢の維持で、頸部や頸部を支える肩上部や背部の諸筋肉は作業時間中だけではなく、休憩時間も緊張が余儀なくされてしまいました。

動かすことが少なくなってしまった頸部の関節に関わる諸筋肉は過緊張し、遂には萎縮してしまって、筋肉間を通過する総頸動脈を締め付けてしまわれました。

以上のようなことを予防するには、何方でも思われるとおり首を動かすことに尽きます。

作業中でも時々首を回したり、後に倒したりして頚椎の可動性の維持と可動に関わる諸筋肉の弾力性を保つことです。
知らぬ間にストレートネックを起してしまったなら、頸部の可動性と諸動脈の走行する部の筋肉の緊張を解かねばなりません。

小さなクリニックでは以前は機器による頸部の牽引が図られてましたが、現在はWHOが「効果が期待できない」と言う理由でその治療は行なわれてません。
ですから病院などでは血流を促進させる薬剤の投与に限られるのですが、根源は[肩凝り]ですので、当院のような頸部の矯正ができる治療院が専門家と言えるのではないでしょうか?。

次回は今回お話したストレートネックで、頸部の後側(項側)の血流が悪くなり、命の危険に晒された症例をご紹介します。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

お気軽にお問い合わせください tel:090-9217-2959 WEBサイトの営業電話はお断りしております。

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