滋賀県、腰痛治療

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腰部椎間板ヘルニアの腰痛を克服した症例

2021年02月26日
今年最初のテーマとして、腰痛の克服について取り上げております。
先月は度重なる内臓疾患のため筋肉が廃用性萎縮してしまい、慢性的に腰痛を抱えられていた人が、当院の指導する運動により社会復帰が成された症例をご紹介しました。
今回紹介する症例は、慢性的な腰痛を感じるようになり、病院の検査で腰部椎間板ヘルニアと診断され、手術を選択せずに当院の治療を受けられ、社会復帰された人の症例です。

椎間板ヘルニアとは

頸部や背部、腰部の個々の骨のことを椎骨と言います。
ですから頸部にあれば頚椎、胸部(背部)にあれば胸椎、腰部にあれば腰椎と言うことになります。

頚椎は全部で7個、胸椎は12個、腰椎は5個存在します。
椎骨を三つの箇所に分け、前方を椎体と言い、太鼓を水平に置いた形をしてます。
後方を椎弓と言い、幾つかのトゲが存在し、筋肉の先端(腱)が接着してます。
椎体と椎弓の境を縦に貫いた穴が存在し、脊柱管と呼ばれています。
この穴が第一頚椎から第五腰椎まで連なっており、脳から下りた脊髄と呼ばれる神経の束が降下しているわけです。
椎体には椎間板と呼ばれる関衝材が存在し、椎体同士の圧力から椎体を守っています。

身体の自然なカーブと言うものがあり、顔を前方としますとアルファベットのSの形をしています。
自然なカーブが維持されてますと椎体同士にはそれほど大きな圧力は加わりませんが、自然なカーブが失われれば椎体には異常な圧力が加わることになります。

一方椎間板は二重構造になっており、ドーナッツ状の周囲を線維輪。
ドーナッツの穴の部分には髄核と呼ばれる軟骨に似た性質の物体が存在します。
異常な圧力が椎体に加わると線維輪に罅が入り、髄核は後方に押し出されてしまい、結果神経の束である脊髄を圧迫することになるのです。

ご承知のように神経には感覚を司る神経と、運動を司る神経が存在しますが、圧迫を受けた部に於いて痛みや痺れ、その神経が支配する領域に悪影響をきたします。
以上のようなことを椎間板ヘルニアと言います。
余談ですがヘルニアとは、脱出(椎間板ヘルニアでは脱髄)と言う意味です。

西洋医学的処置では背中を開け、圧迫している髄核を焼ききることで障害を取り除くのですが、当然穴を開けた骨は脆弱になり、加齢により圧迫骨折などの危険が残ります。
我々のような理療師が椎間板ヘルニアを治療する場合、椎間板には一切触れません。

それは当然のことですが、我々は道具を使う事がありませんから、皮膚を傷つけたり骨に穴を開けたりすることもありません。
ではどのような治療を施すのかと言いますと、早い話が身体の自然なカーブを取り戻させるのです。

患者さんの状態にもよりますが、自然なカーブが失われてなければ背腰部の椎骨は前方に彎曲しているのですが、自然なカーブが失われますと後方に突き出てしまいます。
ですから背腰部の椎骨に関わる筋肉や靱帯は伸展を余儀なくされ、更に姿勢を維持する他の筋肉も過緊張を余儀なくされております。

以上のような事から筋肉や靱帯を徹底的に緩ませ、背腰部の椎骨同士の関節が可動できるようにします。
幾度か上記のことを試み、身体の自然なカーブが取り戻せれば、椎骨に罹る異常な圧力が軽減しますので、飛び出した髄核が元の位置に戻りやすくなります。
結果、神経への圧迫が改善できるのです。
※椎間板は元の位置に戻ることはありますが、決して潰れた椎間板が元に戻る事はありません。

早期に腰部椎間板ヘルニアによる腰痛を克服された症例

Mさんは41歳の男性で、鉄道員として駅業務をされてます。
腰に異常を感じられたのは宿直業務を終えられ、帰途に疲れる途中でした。

鉄道員と言うことで電車の中でも椅子を使うことが許されず、出入り口付近で立っていたら腰に重りがブラ下がっているような違和感を感じられました。
次いで下車され階段を下りる際、足に罹る衝撃が痛みとして腰にまで伝わりました。

以後は腰痛を感じる頻度が増え、湿布を貼っておられましたが、日常の生活には支障をきたすほどではありませんが、気持ちの良いものでもありません。
Mさんは以前ギックリ腰を経験されておられたのでしたが、それとは違い歩けないほどの痛みではなかったのですが、一ヶ月を経ても腰痛や足の痺れは改善しません。
仕方なく整形外科を受診され、CT検査で腰部椎間板ヘルニアと診断されました。

医師には手術を勧められたのでしたが、体にメスを入れるのに恐れを感じられ、当院を受診されました。
Mさんの希望は「一ヶ月ぐらいで何とかして欲しい」と言うものでしたが、私は「身体をリセットするのは可能ですが、再発を防ぐのが肝心です」とお応えしました。
Mさんの身体は中肉中背で、背腰部と殿部、大腿部以外には問題が無く、後方に飛び出した背腰部の椎骨と、後方に伸展できない股関節の整復が必須でした。
二度目の施術で背腰部の椎骨が真っ直ぐまでになり、股関節の可動域も回復することができました。
この時点では腰痛は軽減されたのですが、足の痺れには影響がありませんでした。
四度目の施術でやっと本来の自然なカーブが取り戻せ、足の痺れも殆ど感じられなくなりましたが、この状態を維持することが必要です。
Mさんには再発予防の運動を指導し、ご家庭でもやりぬいていただくことにしました。

その運動とは、床やベットで伏せていただき、足首を掴んで背屈(エビ反り)運動をしていただくことです。
背屈姿勢では本来の自然なカーブがより深くなることで背腰部の椎骨の柔軟性が維持されます。
柔軟性が保たれれば今度は手を離し、背腰部の筋肉で背屈することで筋肉が鍛えられ、仮に一時的に身体を前屈しても、立ち上がれば本来の自然なカーブに戻すことができます。
一ヶ月が過ぎる頃のMさんの腰椎は、前屈後の立位姿勢でも自然なカーブが取り戻せ、直側の筋肉も健康的な膨隆が認められました。
ご希望の一ヶ月は少し日を要しましたが、初診の日から35日で当院の通院は終了しました。

まとめ

Mさんが短期間で腰や足の異常を克服できたのは、先に整形外科を受診され、異常を起こしている箇所が特定され、治療後の運動に努力された結果と言えるでしょう。

ただ「腰が痛い」と当院を受診されていたなら、単なるギックリ腰の治療から始まり、腰部椎間板ヘルニアの治療に至るまでもう少し期間を要したかもしれません。
何より特筆すべきは、Mさんが私の話を信用し、通院期間は休暇をとられ、更に再発予防の運動に努力されたことです。

何故背腰部の自然なカーブが四度目の施術で回復したのにも拘らず、完治まで35日も要したのかと言いますと、悪い姿勢をとる癖が直っていないからです。
悪癖によりせっかく自然なカーブが取り戻せても、ついつい悪い姿勢になってしまい、再発予防の運動に支障をきたすからです。
自然なカーブが失われたままで背屈運動をすると、骨端部の軟骨を傷つけたりすることになります。
ですから定期的に姿勢を矯正する必要があります。

平均的な腰部椎間板ヘルニアの治療期間は、軽度な症状で一から二ヶ月。
完全に脱髄するような重篤な病態でしたら、痛みが軽減するまでに期間を要することになりますが、痛みが違和感程度にまでは改善できるでしょう。
但し、「仕事に就きながら」とおっしゃるひとの場合でしたら、通院していただく頻度と、背腰部の柔軟性を回復していただく運動の頻度とがネックになります。
ですから私がお伝えする日に来院いただけたなら、整形外科に入院されて社会復帰される日数程度にまでには改善できるでしょうが、やはり以後の運動が必須となります。

患者さんに申し上げたいことは、治療に専念していただくことと、上記の運動以外は安静にしていただくことです。
※私の言う安静とは、元に戻った自然なカーブが失われる姿勢をとるようなことを避けることです。
上記の症例は椎間板ヘルニア治療の一例ですが、例えば「年末年始の休暇中に治して欲しい」とか、「ゴールデンウイーク中に何とかして欲しい」と希望される人もおられます。
Mさん程度の病態なら、早期のうちに身体をリセットするだけなら可能ですが、再発予防に時間を要するのはこれでお判りだと思います。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

お気軽にお問い合わせください tel:090-9217-2959 WEBサイトの営業電話はお断りしております。

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