滋賀県、腰痛治療

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脊柱管狭窄症の腰痛を克服した症例

2021年03月23日
今年最初のテーマとして、腰痛疾患を克服された人たちの症例をご紹介しております。
先月は腰部椎間板ヘルニアによる腰痛を、比較的短期間で克服され、社会復帰された人の症例をご紹介しました。

今回は第三段で、複数箇所の脊柱管狭窄による腰痛を起され、期間は要しましたが完全に克服されて社会生活をおくられている人の症例です。

脊柱管狭窄症の腰痛を克服した人の症例

患者さんはHさん、43歳の男性で大手電機メーカーの営業職をされてました。
趣味はパソコンで、大学時代に習得された知識でオリジナルな端末機の製作や、ちょっとしたソフトも開発しておられました。

体調を崩されたのは今から約二年前で、背や腰、足に異変を感じられました。

仕事中に椅子に座って商談していても、じっと姿勢を保てずにまるでソワソワするように体位を揺らせずにはいられないことが頻繁になってきました。
それは違和感だったり、或いは疝痛発作のような鋭い痛みだったりするのですが、少し体位を変えれば消え、その姿勢が続けば再び感じるようになるためでした。

しかし椅子からの立ち上がり時や、歩行中の腰痛は慢性的に感じられたため休暇を取られて整形外科を受診されました。
病院での検査は当初はレントゲンだけだったのですが、それでは病名が定まらず、後日CT検査で多発性脊柱管狭窄症と診断されました。

Hさんの狭窄箇所は複数で、全てを外科的手術で取り去ろうとすると予後に悪影響をきたすため、医師は「全ての箇所を手術するのは困難」と言うものでした。

結果行なわれた治療は保存療法と言って、腰部の大きく狭窄している箇所をコルセットで締め付け、神経の圧迫を少なくすることでした。

Hさんは暫くの間は我慢されてましたが、とうとう限界を迎えられ休職を余儀なくされ、自宅療養されました。
しかしそれで違和感や痛みがなくなるわけではありません。

縁あって当院を訪れられ、私が治療を施すことになったのですが、それは長い戦いの始まりでした。

コルセットの装着により弱体化した腰部の筋肉はHさんの体重を支えることができず、大きく後方に飛び出した腰椎を整復してもコルセットの使用を止められません。

狭窄箇所は腰椎だけでなく、上位胸椎から下位胸椎まで数箇所存在し、腰椎同様に直側の諸筋肉が弱体化してます。
数度の施術により自然なカーブに近づけることができましたが、柔軟性が失われた背腰部の関節と弱体化した筋肉では数日で悪い姿勢に戻るはずです。

当然まだコルセットの装着は止められません。

先月にご紹介しました腰部椎間板ヘルニアの再発予防の運動と同様に、運動をしていただくのですが、弱体化した筋肉では柔軟運動しか行なえません。
仕方なく用事がなくても立っている時間を増やしていただき、良い姿勢を維持することで筋肉の増強を図りました。

更に通院回数を増やし、週に二度から三度脊柱矯正を施すことで、悪い姿勢からの脱却を図りながらコルセットを外しても上半身の体重を支えられることを目指しました。

進展が見られるようになったのは初診から二ヶ月目の来院時でした。
腰痛を感じることは殆ど無くなり、家庭内の生活では問題無しと言う状態でした。

当然コルセットも装着の必要が無くなったのですが、腹臥位での筋力強化運動が不充分でした。
Hさんは腰痛が軽減したことにより会社への復帰を希望されましたが、筋肉が充分ではないため、机上の仕事をするうち再発させられるのは明確です。

上記のことをHさんにご納得していただき、更に筋肉強化運動と疲労した筋肉のケア、更に悪癖のために崩れてしまう自然なカーブの整復を続けました。
「これならもう大丈夫!」とお伝えしたのが初診から5ヶ月が過ぎようとする頃でした。

その数日前から会社に復帰されてましたが、指導した運動を継続していただきながら通院最終日を迎えたのです。

脊柱管狭窄症とは

頭脳から神経の束である脊髄が下降する管を脊柱管と言います。
先月にも述べさせていただきましたが、頸部には頚椎が7個・背には胸椎が12個・腰部には腰椎が5個存在します。

頚椎や胸椎や腰椎を個々の単独では椎骨と言います。
また椎骨の前方を椎体、後方を椎弓と言います。

脊柱管は椎体と椎弓の境にあり、縦に貫いた穴のことです。

先に管と記しましたが、個々の椎骨の穴が連なることで管と言うことになります。
この穴の内腔が狭くなることを脊柱管狭窄症と言うのですが、原因には2通りあります。

第一頚椎から骨盤までのことを脊柱と言いますが、要因の1つは可動性を失った脊柱の椎骨間を繋いでいる靱帯が骨化することです。
骨化した靱帯は徐々にその太さを増し、脊柱管の内腔を狭めることにより脊髄を圧迫させます。

もう1つの要因とは、脊柱管の内壁が脊髄を圧迫することです。

人の脊柱は健全であれば横から見るとアルファベットのS状をしてますが、姿勢の悪い人では自然なカーブが失われることになります。
自然なカーブが失われると、健全な時には余裕があった脊柱管の内腔が狭まる箇所ができ、狭窄部が多発するわけです。

まとめ

Hさんの腰痛は姿勢の悪さが原因で、自然なカーブとは反対に逆のS字になってしまった背腰部の椎骨の内腔が狭まり、神経への圧迫が生じたものでした。

当初の脊柱は私が矯正しても、ベットから立ち上がられた状態ではすぐに悪い姿勢となり、ご自分で背を正そうとされてもできませんでした。
仕方なく再びベットに伏せていただき、脊柱矯正を施したうえでコルセットを装着していただき、良い姿勢の維持だけにご努力いただきました。

期間は要したものの、コルセットを外しても姿勢が崩れなくなった頃には幾らか脊柱の柔軟性が獲得できました。

ところが背腰部の諸筋肉の発達に左右差ができてしまいます。
どうしても効き足側に多く体重を懸けられるため、通院を頻繁にしていただき、その悪癖も矯正する必要がありました。

以後の筋力強化運動で多少の姿勢崩壊が生じても、立位姿勢で背屈することで健全な自然なカーブが取り戻せるようになったのは5ヶ月を過ぎる頃でした。

脊柱の柔軟性が幾らか取り戻せた頃には腰痛が殆ど感じられなくなったのですが、それで社会復帰されず、以後も柔軟性の維持と筋力強化にご努力いただけたことが幸いしたのです。
Hさんが腰痛が殆ど改善したのにも関わらず、以後も私が会社への復帰を許さなかったのは身体状況が劣悪だったためで、この期間が一般的ではありません。

勿論失われた自然なカーブの程度や筋肉状態、お仕事などがHさんより軽微なら通院していただく期間も短くなるでしょう。
身体の柔軟性と自然なカーブを維持する諸筋肉が失われた人の多くは、Hさんのように脊柱管狭窄症を発症させられる危険性がありますのでご注意ください。

特に症状を悪化させられる人の大半は、[肩凝りが自覚できない]と言う人に見られます。

肩凝りを自覚できる人でしたら、机上のお仕事をされたとしても時々首や肩を回したり、立ち上がった際に腰に手をあて、背や腰を背屈させて脊柱の柔軟性の維持をされます。
肩凝りが自覚できない人でしたら、上記のことをされませんから、知らぬうちに身体の自然なカーブが失われてしまうことは明確でしょう。

もしご自分が肩凝りがわからない人かどうか判断できない人は、頭の上で腕を組んでみるとか、背中に腕をまわし互いの肘を掴むとか。
うつ伏せで寝て背屈して、後ろの壁と天井の境が見えるかやってみてください。

上記のことが痛みも感じず普通にできず、普段首や肩上部・肩甲骨周辺に痛みを感じておられないなら、間違いなくその人は肩凝りが自覚できない人です。
ですから、身体の自然なカーブも失われていることになり、今後何らかの神経疾患をきたす恐れがあります。

脊柱管狭窄症に限らず自然なカーブが失われている人なら、背腰部の椎骨は前傾氏、背中が丸まっていることになり、腰部椎間板ヘルニアの危険もあります。
長文になりますので、予防方法は後日ご紹介します。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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