滋賀県、腰痛治療

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腰椎分離すべり症の腰痛を克服した症例:姿勢を正しくする方法もご紹介

2021年04月22日
今年最初のテーマとして腰痛を克服された症例をご紹介してますが、今回は腰の骨折である腰椎分離すべり症の腰痛を克服された人の症例をご紹介します。

腰椎分離すべり症とは

何度も背や腰の骨の部位のことをご紹介してますので、皆さんはもうご理解いただけてると思います。

椎骨を3つに分けて前方が椎体と言い、後方を椎弓と言います。
椎体と椎弓の境に存在するのが脊柱管で、管の中には脳から下る神経の束である脊髄が管腔の周囲の骨に保護されています。

ところが脊柱管と椎弓の境が括れたようになっており、強い圧力が腰にかかればこの境の部で骨折(分離)してしまいます。

以前にも述べさせていただきましたが、椎弓には姿勢を保つ筋肉が付着しており、前屈姿勢で離れた椎弓は上方にすべり、脊髄が露わになります。
露わになった脊髄は保護を失い、様々な圧力を受けてしまいます。

当然圧力に晒された患部は、刺激が痛みとして脳に伝達されるのです。

外科的治療では離れた椎弓をボルトで固定し、すべりを防ぐのですが、ボルトを固定するには腰椎に穴を開ける必要があります。
そのため患部の骨は脆弱になってしまいます。

腰椎分離すべり症を克服した症例

Iさん20歳は或スポーツで腰を負傷されました。
或スポーツと表記したのはご本人はまだ現役で、競技名が判れば個人が特定されてしまうためです。

受傷当時は鋭い腰痛で、他の人の肩を借りて病院を受診されました。
レントゲン検査で腰椎分離すべり症と診断されたのですが、一般に行なわれる手術は受傷箇所をボルトで固定するものでした。

手術を受ければ腰痛を避けることはできますが、腰椎の強度が下がるため、現在の競技を続けることができなくなります。
やむなく他の方法で腰痛緩和を図ろうと、当院を受診されました。

アスリートであるIさんは一般的な人に比べれば姿勢が良く、種々の筋肉も良く発達してましたが、それでも椎弓のすべりを防ぐことはできません。

治療でもとの位置に椎弓を納めることは容易でしたが、すべりを防ぐための筋肉の増強を図る必要があります。

腹筋と背腰部の諸筋肉の増強が図れれば、大きくすべりを起すことがなくなり、万一ズレが生じても一瞬のことで、痛みを感じる前に整復が図れることで腰痛を感じずに済みます。
Iさんには後述する[腰痛を起さない身体作り]を行ってもらい、ほぼ1ヶ月で現役に復帰することができました。

腰椎分離すべり症が起こる原因

腰痛を発症される人の多くは、身体の自然なカーブが失われていることが大半です。
自然なカーブが維持できていれば、アルファベットのS字の凹部が背腰部に相当します。

直立姿勢の状態で、背や腰の中央を触ってみて骨を感知できた場合は、自然なカーブが失われていることになります。
自然な身体のカーブを失っている人は、肩背部の筋肉が過伸展を余儀なくされ、常に肩凝りを感じるような状態になっています。

しかし世の中には、肩凝りを感じることができない人がおられます。
肩凝りが判らないと、関節の可動域が減少しても気がつかず、「年をとればこんなもの」などとご自分を納得させてしまいます。

上記のような人は、仰向けで寝ることができず、背を丸めて横向きで寝ることを余儀なくされます。
背を丸めて横向きで寝ることで腰まで曲がる悪循環に陥り、股関節の後方への蹴り出しが小さくなり、小股でチョコチョコした歩きになってしまいます。

更に症状は肩凝りだけにとどまらず、腰椎が飛び出してしまうため上半身の体重が椎体に掛かります。
これが腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による腰痛の原因です。

自然なカーブが失われ、背や腰が後方に飛び出している人では、歩幅が狭く前傾姿勢のバランスを取るため膝も屈曲したままになります。
一般的に股関節の後方挙上の角度は15度ですが、背や腰が後方に飛び出ている人なら真っ直ぐにするのも困難でしょう。

前回3月にご紹介しました、ご自分が肩凝りが判らない人かどうかを判別する方法で、もしご本人がそれに該当する人でしたら次のようなことを心がけてください。

腰痛を起さない身体作り1:大股歩き

ここで以前から予告していた[腰痛を起さない身体作り]についてお伝えしていきますので、参考になさってください。

日常生活で実践できる腰痛を起さない身体作りは、背や腰を可能な限り伸ばし、視線は遠くを見て大股で歩くことです。

大股での歩行とは、大きく蹴りだした足裏が後方を向く歩き方を指しますが、これには正常な股関節の可動域が必要です。
太腿が後方に挙上できないと大股での歩行が適いませんから、そのような人なら股関節の可動域を広げる必要があります。

大きく前後に足を開き、体幹を後方に倒すことで股関節の後方への可動域を広げる運動ができますが、転倒を避けるため壁や手すりを掴むなどしてください。
期間は要しますが、股関節の可動域が回復すると、前屈傾向の姿勢が徐々に整復されます。

上記のことがクリアできれば何処を歩くのも上記の歩き方をしてください。
ウォーキングを習慣にすると、より効果が出やすくなるのでおすすめです。
※時々手を後ろにまわし、胸椎や腰椎が触れないかどうか確認することも忘れずに。

上記の運動を行うことが難しいという方は、やはり我々のような理療師による脊柱矯正をするしかありません。
常に立位姿勢で胸椎や腰椎が触れなくなったら、ほぼ自然なカーブが取り戻せたことになりますので、次は以下の運動で腰痛を起さない身体作りを行ってください。

腰痛を起さない身体作り2:腹筋と背腰部の諸筋肉の強化運動

自然なカーブを取り戻せたあとは、腹筋と背腰部の諸筋肉の強化運動をすると再発しにくくなります。
平らなところで仰臥位となり、踵を揃え、下肢を挙上させる運動です。

その際膝を曲げず、最初は90度(体幹から直角に)足を上げ、ふらつきが治まったら徐々に足を下げます。

「この辺りで限界!」と言うところで静止し、最初は5分を目標に。
「5分なんて無理!」と思ったなら再び90度に近づけます。

最終的に床から10cmぐらいのところで踵が静止でき、20分ぐらいその姿勢が維持できれば、充分な筋肉を付けれたことになります。
途中、45度ぐらいで15分静止できるようになる頃には、腹筋や背筋に触れると健全な膨隆があることを感じられるでしょう。

※注意
「腹筋と背腰部の諸筋肉の強化運動」をお勧めできる人は、身体の自然なカーブが維持できている人ですから、直立姿勢で手を後ろに回し、背や腰の骨が触れない人に限ります。
自然なカーブを取り戻せていない人が「腹筋と背腰部の諸筋肉の強化運動」を行えば、骨端部の軟骨を傷つけ、更に強い腰痛を生じさせる危険性がありますのでご注意ください。
「腹筋と背腰部の諸筋肉の強化運動」は大半の人に有効ですが、それでも不安に思われる人は今回ご紹介した運動以外にも方法がありますので、詳しいことをお知りになりたい場合は一度当院までご連絡ください。

まとめ

Iさんの腰部は当初、ズレた椎弓が一段上の椎弓に被さり、露わになった脊髄とで段差を生じられてました。
腹筋と背腰部の諸筋肉の発達が見られるまで2度ほど整復が必要でしたが、筋肉の増強が図れる頃には腰痛は訴えられませんでした。

最後の通院日には姿勢を前屈させたり、体幹を捻ったりしていただきましたが、意識してなければ違和感すら感じなくなっていました。
もちろん患部の椎弓は、姿勢を正せばもとの位置にあり、すべりは確認できませんでした。

但し年齢を重ね筋肉が衰えてくると、再度すべり症を発症する恐れもあります。
なので競技を引退したあとは、手術が必要となる場合もあるかもしれません。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

お気軽にお問い合わせください tel:090-9217-2959 WEBサイトの営業電話はお断りしております。

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