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手根管症候群で指が曲がらなくなった実例
- 2021年07月30日
- 最近の事務作業は、パソコンを使った作業が主流となりました。
作業が長時間になりますと眼性疲労をきたし、労働基準監督署では40分から~50分に一度眼を休めることを推奨しております。
当院には事務作業、殊にパソコン作業で肩凝りや腰痛を発症させられた人が多く来院されます。
中には肩凝りにとどまらず、腕の痺れや指の障害を訴えられる人もおられます。
腕や手の症状を訴えられる人の多くは右腕で、明らかにパソコン作業が発症の原因と思える自覚症状を示されます。
特に指の症状では指の曲げ伸ばしが困難になり、思うようにキーを叩けなくなることもあります。
その場合自身で指を揉んだり、引っ張ったりする方も多くいらっしゃいますが、症状が良くなることはありません。
上記のような指の症状をバネ指[病名=手根管症候群]と呼びますが、腕の異変も要因の一つに挙げられます。
外科的治療では手根管と呼ばれる部の腱の切断術が一般的ですが、よほどの重篤化したものでもない限り手術は行なわれません。
何故なら、我々のような治療院で行なう弛緩術で、中等度や軽度なものなら整復できるからです。手根管症候群の実例:右手中指が伸ばせない・曲げられない
大津市在住のBさんは、建築会社で事務を担当されてます。
1日のほとんどを机に向かい、トイレや昼食で机から離れることはあっても、それ以外の時間は絶えず手指を動かしていたそうです。
当然肩凝りを感じることはあったのですが、右腕に痛みを感じることも少なくありませんでした。
痛みを感じれば時々、気休めにその部を揉んだり叩いたりされてまし、強く肩凝りや腰痛を感じるようになったら当院で、肩や腕・腰などの治療を受けておられました。
ある日、いつもどおり仕事をしようとしましたが、パソコンの叩きたいキーに指を伸ばそうとしても指が伸びません。
異変を感じて左手で右の手指を揉んだりされたのですが、指の関節可動域が狭まっていました。
仕方なく別の指で叩きたいキーを叩くようにしましたが、今までよりは作業効率が悪く、歯痒い思いで仕事を終えられました。
翌日は症状が悪化し、ご自身の意思ではなく叩く必要のないキーを押したり、一度でよいキー操作を2度行ってしまったりして、非常に効率が悪い作業をされたそうです。
さすがに業務への支障が大きいと判断されて、その日の夕方に当院を受診されました。
触診で得られたのは右手示指と中指の関節が硬く、私が無理に伸ばしてもまるでバネ仕掛けのように元に戻ってしまいます。
それで今度は前腕部に触れますと、当該指の屈曲筋群は異常を起こした指以外の筋群に比べ若干膨隆を示してました。
治療は膨隆した筋群を緩ませ、更に手根管と呼ばれる手首のやや先を揉み、幾度か当該指の曲げ伸ばしをしていただいたのですが違和感が残ってました。
更に今度は指の関節に弛みを持たせるための治療を施し、「治りました。これなら大丈夫です。」のお言葉をいただいて治療を終了しました。まとめ
Bさんはパソコン作業で右手指、特に人差し指と中指を酷使され手根管症候群を起されたものでした。
手根管とは手首の手関節より少し先の手根部で、底面と両側面は手根骨で形成され、上面は横走手根靱帯で覆われている管腔を言います。
その中を9本の指屈筋腱と正中神経が走っています。
ここに狭窄が生ずると正中神経麻痺を起こしますが、これを手根管症候群と言います。
手根管と言うトンネルに、指に向かって屈筋腱が通っているわけですが、パソコン作業で酷使した腱が労働制に肥厚し、トンネルの内壁とで摩擦を生じるわけです。
外科的治療では横走手根靱帯切離による除圧が望ましいとされてますが、早期のうちなら徒手治療で改善できます。
Bさんの治療は諸悪の根源である屈筋腱の腫脹を和らげ、手根管に腱の摩擦を軽減することと、指節間関節の可動性の回復で完治を見ました。
但し、現在のお仕事を続ければ再びバネ指が再発しますから、適度に治療を継続する必要があります。
ご自身でできる予防はパソコン作業を少なくすることが望ましいのですが、症状が発生する前に前腕部や当該手指を揉むことも再発防止に繋がります。
当院が株式会社エイチアンドアイ発行の「健康365 11月号」に掲載されることになりました。
2021年9月16日発売です。よろしければ、そちらもご一読ください。
著者プロフィール
![プロフィール画像](/image/concept02.jpg)
兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。