滋賀県、腰痛治療

新着情報

骨盤の周辺の慢性痛で動けなくなる人

2022年10月18日
治療期間が長期化する典型的なパターンを毎月ご紹介しております。
先月は歩行の注意事項を時々忘れられ、足が元の悪い格好に戻るため腰痛の原因となり、その都度慌てて来院される人の症例をご紹介しました。

その人の歩き方は一般に言われる「ガニ股」と言う歩行で、身体の自然なカーブが失われるため腰痛を起すものでした。
ですから体幹と下肢の矯正を図り、正常な歩き方を指導したにも拘らず時々忘れて、気がついたらガニ股に戻り、やがて腰痛を起すパターンを繰り返されてます。

今回の症例もガニ股が原因で起こる疾患ですが、主訴は腰痛に加え骨盤周辺と足の痛みです。
殊に骨盤周辺の痛みとはまるでペンチで強く組織を挟まれたような痛みで、痛みを感じた瞬間身体の動きが止まり、転倒しそうになられることも少なくなかったようです。

Hさん(当時49歳)の症例

Hさん(当時49歳)は生花販売店を営んでおられ、ご自宅の畑やビニールハウスで栽培もされています。

店舗の外や畑でのお仕事は屈み姿勢が殆どで、お客の対応時で立ち上がった際に腰から下全てにそれぞれ違った痛みを感じておられました。
中でも一番痛かったのは腰痛と殿部痛で、腰を落として作業していてからの立ち上がり時に腰が、次いで殿部に鋭い痛みを感じていたようです。

当院を受診されたのは一年と少し前で、主訴は腰と尻と足の付け根から足首付近の痛みでした。
(※痛みの箇所は腰と殿部と足でしたが、Hさんのお言葉で「腰と尻と足」とおっしゃったのでそのように記述しました。)

何より一番我慢できなかったのはお尻の痛みで、痛みを感じた瞬間身体の動きが止まり、転倒しても手で身体を支えることしかできなかったようです。
触診では背腰部、殊に腰椎の飛び出しが著しく、下肢は両側股関節が外反し、完全に膝が外を向いています。
当然足先も外をむき、小指もベッドに触れていました。

主訴には無かったのですが両側頸肩部や上腕部の諸筋肉も硬く張り、普通なら頭痛も感じているはずですが、そのような訴えはおっしゃいませんでした。
Hさんの体型は決して痩せ型ではありませんでしたが、筋肉の付き方に偏りが見られ、背腰部と殿部の諸筋に未発達が見られます。

治療の開始

先月ご紹介しましたDさん同様、背腰部と下肢の治療を同時に行ない、三度目の来院時ではほぼ整復に成功していました。

殿部を除く下肢の症状は外旋を余儀なくされる股関節と膝関節のため、外側の大腿四頭筋が過伸展を余儀なくされるために起こるものでした。
大股での歩行が妨げられる格好のため、下腿部の諸筋の過緊張も著しく張っていましたが、足先が前を向くようになってからは弛緩が果たせ、過緊張による痛みも消えました。
ですから頸肩背部と腰部、股関節と膝関節は一時的に矯正できたのですが、Hさんにこの状態を維持していただくことが難しかったようです。

畑や店先での植木鉢の手入れで屈んだ際、股を開くことが多く、当然意識が希薄だと足先も外に向いてしまわれます。
ですから数日で足が外を向くガニ股が再発してしまうのでした。

対策として植木鉢を地下に置かず、一段高くできるよう陳列台を設けることで股を開かず、中腰でも作業が可能になりました。
畑での作業では、なるべく地面に直接膝を着けて草むしりなどを行い、股を開く必要性を少なくし、ガニ股の再発の予防に心がけていただきました。
しかし、それにも拘らず左足だけが外反し、殿部の鋭い痛みを生じさせるため、Hさんには左殿筋の筋力強化を図るための運動を指示しました。

二ヶ月を越えた頃、Hさんの左側の殿部は笑窪のように凹んだ箇所に若干の膨らみが触知でき、痛みの感じ方が鋭いものからそれほど我慢できないようなものではなくなりました。
この頃の殿部痛の原因は歩行時に、例えば真っ直ぐの歩行から進路を変更しようとした際爪先が変更しようとする方向に向くため、股関節が外旋するからでした。
Hさんの歩行の悪癖が直らない原因が他の人とは違い、腰殿部の筋力低下が原因と思えましたので、現在も同筋肉の強化運動を行っていただいております。

まとめ

先月ご紹介したDさんとは違い、Hさんは身体の自然なカーブを失わせない工夫が施せましたので、背腰部の諸筋肉の発達で柔軟性が維持されて腰痛や下肢痛が早期のうちに無くなりました。
しかし先天的に筋肉の発達に偏りが見られたことから、股関節の大腿骨頭と腸骨の寛骨臼の隙間に殿筋を挟まることで鋭い痛みを生じられます。

正常な筋肉は輪切りにすると紡錘形(ラグビーのボールのような形)をしていますが、筋肉が痩せると中央が凹みます。
よって弛んだ部が大腿骨の骨頭部に巻き込まれ、まるでペンチに強く挟まれたような鋭い痛みを生じさせてしまうのです。

当初は素でうつ伏せでの足上げ運動を行い、慣れた時点でウェートを足首に巻いて左殿筋の筋力強化の運動を行っていただいております。
おそらく左殿部の諸筋肉が右側同様の発達が見られれば、筋肉の挟まりも防げるはずですが、この原稿を書いている時点ではまだ、お貸ししたウェートをお返しいただいておりません。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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