滋賀県、腰痛治療

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完治に期間を要する典型的なパターン

2022年12月27日
昨秋から当院を受診するまでに他の医療機関を受診し、誤った治療法や誤診により完治に至らず、結果無駄に期間を要してしまわれた人の症例をご紹介してきました。
前回の症例は医師が患者さんご本人の症状の感じ方を鵜呑みにし、神経疾患を疑った結果完治に期間を要してしまわれた人のお話をご紹介しました。
その人は下肢の状態を痙攣と思われたようで、当院を受診せず神経疾患の治療を受け続けていたなら、最終的に杖に頼らねば生活できなくなったかもしれませんでした。
今回は誤診ではなかったのですが、何故か根本的な治療がなされず、鎮痛剤の処方だけで数年過ごされた結果、両足の可動性が失われ痛みに耐えながら歩かれておられた人の症例です。

実例: まるでペンギンのように歩かれる人


Wさん現四十七歳 女性は県の外郭団体職員で、主に机上のお仕事をされてます。
若い頃からの腰痛持ちで、三十歳を過ぎる頃には市販薬の湿布を貼って生活されてました。
それが四十歳を迎えた頃、それまでは鈍い痛みだった腰の痛みが疝痛発作のように鋭い痛みを感じるようになられました。
それで職場付近の総合病院の整形外科を受診されましたが、検査はレントゲンだけだったようでしたが医師はこれは「脊柱管狭窄症です」と告げたようでした。
その後当該医師は、根本的な完治させる治療法を示さず、鎮痛剤の服用を指示しただけだったようです。

それで約5年間痛みを鎮痛剤で抑えてこられたのでしたが、更に今度は股関節から大腿部にまで痛みが広がったようです。
そのため歩幅が狭まり、軽く前傾した姿勢でチョコチョコと、まるでペンギンのように痛みに耐えながら歩く羽目になられました。
それを当該医師に伝えると、今度は更に効果の高い薬を処方したようでしたが、数日経過してもWさんの歩行には改善が見られず、意を決して当院を訪れられました。
意を決してというのは、「病院で治らないものが治療院なんて」と潜在的な疑念を持たれていたからのようでした。

触診の結果、Wさんの背腰部は中位胸椎のTH6から全ての腰椎を下がり、骨盤の一種である仙椎のS1までが大きく後方に飛び出しています。
ですから当該医師の診断には私はその部については異論はありませんでしたが、そこから下の股関節の可動に関わる諸筋肉を触診して違和感を感じました。
私がWさんに側臥位姿勢から足を持ち上げ、殿筋を触診しながら身体の前へ股関節を屈曲させても痛みを生じることがありませんでしたし、殿筋には異常はありませんでした。
ところが伸展(後方挙上)させようとすると、直ちに広範囲に硬化が見られ、鋭い痛みを感じられるのか大声で痛みを訴えられます。
つまり、股関節の伸展に関わる筋肉に問題があり、腰部脊柱管狭窄症による神経疾患による歩行障害ではないことが照明されました。
これが左右の殿部や股関節周辺に見られましたので、両側側臥位と腹臥位姿勢で殿筋の緊張緩和を図り、ゆっくりした運動法を施した後、立ち上がって歩行の改善を確かめていただきました。
Wさんに歩行中の両股関節や大腿部周辺の痛みの有無を確かめますと、全く感じられないようでしたが、まだ問題は残っています。

チョコチョコ歩きになった原因:
Wさんのように胸腰椎が後方に飛び出したら、上半身は前方に倒れ前傾姿勢を余儀なくされます。
しかし前傾姿勢のままでは転倒を避けるため、人は無意識に膝を屈曲させることになります。
つまり屈曲した膝の分だけ、股関節の伸展可動域が狭まることになるわけです。
この状態で歩行すれば股関節は完全伸展(大腿部の後方挙上)はおろか、起立姿勢で真っ直ぐ股関節を伸ばすこともできません。
ですからますます筋肉は硬く張り、自然と歩幅が短くなり、大きく足先を振り出すような正常な歩きが阻まれるのです。

Wさんに今度はバストマットを用いた腹臥位姿勢になっていただき、背腰部の諸筋肉の過緊張の緩和を図りました。
数年間前傾姿勢で生活されておられたため、胸腰椎直側の諸筋肉はまるで紐のように細く弾力性の乏しいものでしたが、幾度も揉捏法を行なったため緊張緩和が図られました。
このため幾らか弾力性が回復し、脊柱矯正を施せたのですが、来院時の状態を10とすると施術後は5から6程度まででした。
その後幾度か通院していただき、約二ヵ月後に身体の自然なカーブが取り戻せました。
Wさんには再発予防のため背屈運動を指導し、それで治療を終了しました。

まとめ:


これまで幾度も述べさせていただきましたが、正常な人の姿勢を横から見ると緩くアルファベットのSの字をしています。
つまり頸部から下がり、背部に達するところから徐々に胸を張るように前方に弯曲し、腰部に達するところでSの字の一番前方に突出し、骨盤(お尻)部で今度は逆方向へ張り出し、そしてほぼ垂直に足部に下がります。

この姿勢が崩れ、腰部だけが反対に突出すれば腰部椎間板ヘルニアの危険性が生まれ、胸椎までが後方に飛び出せば脊柱管狭窄症の危険性が生まれます。
脊柱管狭窄症とは、脳から神経の束である脊髄が脊柱管と呼ばれる骨のトンネルを下り、骨盤に達するまでの何処かで骨や靱帯による圧迫を受けて起こるものです。
ですから人の自然なカーブが保たれていたなら、脊髄への圧迫が生まれなかったものが、自然なカーブが失われてしまうと脊柱管の内腔が狭まり、痛みや痺れ、又は機能障害が発生します。
病院などでの西洋医学では、脊髄を圧迫している部を取り除き、痛みを防ごうとするのですが、狭窄部が一箇所とは限りません。
複数箇所で狭窄を起こしていたなら、それを全て治療せねば完治に至らないことはご理解いただけるでしょう。
当然、皮膚を切開して筋肉を避け、骨を削るのですから、狭窄箇所が複数なら手術を行なう範囲は広がるでしょうし、患者に与える身体のダメージも大きいと考えられます。
以上のことから当該医師は手術を避け、保存療法と呼ばれる投薬治療だけを選択したものと考えられます。

歩行障害は年が経過してそれまでの姿勢が災いし、正常に使われることの無くなった股関節周辺の諸筋肉が廃用性萎縮をきたし、殿部から大腿部にまで痛みを起こしたものと考えられます。
Wさんの身体の自然なカーブが取り戻せても、まだ良姿勢を維持できる背腰部の諸筋肉は萎縮したままですので、このまま放置したのではやがて姿勢の崩壊が予想できます。
ですから、背腰部の諸筋肉の筋力強化運動を指示し、「これならもう大丈夫」と言うところで治療を終了しました。

実はWさんは当初初回の治療後の状態で満足され、これ以上状態が改善するとは思わず「また痛くなったら来ます」と帰宅されようとされました。
私が「まだ改善の余地があります」とお伝えしても信用できないようでしたが、二度目、三度目と来院されるたび徐々に症状の回復を見、最後は「来て良かった」とお喜びいただけました。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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