滋賀県、腰痛治療

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症状の完治に期間を要する典型的なパターン ⑨

2023年04月03日
昨秋から症状の完治に期間を要した典型的な症例をご紹介してきました。
前回ご紹介した患者さんは脊柱管狭窄症と言う明らかな病名がつく疾患でしたが、病院の医師は保存療法を選択し、5年間投薬治療のみを行なったため、他の部位にまで悪影響が及んでしまったと言うお話でした。
他の部位とは股関節周辺の諸筋肉で、脊柱管狭窄症による前傾姿勢で可動域が狭まった歩行のため筋肉が萎縮し、殿部の諸筋に痛みを生じさせたものでした。
当院の治療で股関節の可動に関わる諸筋の緊張緩和が図れ、歩行が改善し、期間は要しましたが身体の自然なカーブが取り戻せたことから脊柱管狭窄症も改善し、元の生活が取り戻せたと言うものでした。
今回の症例は足の痛みのため病院を受診し、腰部椎間板ヘルニアと診断された人が、手術したのにも拘らず足の痛みが改善せず、リハビリ治療を施されても変化が無かったと言うお話です。

実例:手術で足の痛みが改善できなかった人


Hさん五十一歳は中学校の先生で、社会科を教えておられます。
足に異変を感じられたのは四十九歳の誕生日を迎えられる頃でした。
異変とは歩行中の太腿外側の張り感で、時々痛みすら感じられたことから整形外科を受診されました。
当日医師は腰部のレントゲン検査の結果からCT検査を指示し後日行なわれたそうです。
結果、L4の腰部椎間板ヘルニアのための下肢痛と診断され、その病院に入院して手術を受けられました。
ところが入院中や退院直後は太腿の痛みは感じられなかったのですが、職場復帰されてすぐ、以前のような太腿外側の痛みに襲われたそうです。
それを医師に伝えると、歩行に問題があるのではと通院でリハビリが行なえる病院を紹介されたようでした。
そちらでは歩行訓練をされたようでしたが改善が見られず、元の病院で鎮痛剤の服用で痛みに耐えて生活されていたようでした。
日を経過するにつれ痛みの強さが増し、鎮痛剤の効能が一日一錠では済まなくなった事から他の医療を求めて検索された結果、当院を訪れられたようです。
既に腰部椎間板ヘルニアと診断され手術されておられるのですから、「今更神経由来の治療なんてできないのでは?」と思いましたが、一応診察することにしました。
ベット上で仰臥位姿勢になってもらい、「これならお役にたてそう!」と思ったのは膝から下が外を向き、無理に前を向かせると膝裏とベットとの間に大きな隙間を生じさせたからです。
当然股の間も大きく広がっており、典型的な外反股を呈しておられました。
その事をHさんに伝え、当該病院の医師に「腰部に触れないんなら」と許可をもらって治療を開始することになりました。
一番最初に行なったのは両側の股関節の可動に関わる諸筋肉の緊張緩和で、可動性の失われたHさんの殿筋は硬く廃用性萎縮と言われる状態でした。
その後に無理に外側に引っ張られていた大腿四頭筋外側と、常に膝の完全伸展を妨げていた同筋前側を緩ませ、或程度膝関節の可動域を回復させることに成功しました。
「まだ太腿が痛いですか?」と問う私に、Hさんは不思議そうに何度も太腿の外側をパンパン叩き、「痛みが消えた」とおっしゃいます。
それは太腿の外側の痛みが外反股による腸脛靱帯の圧迫によるもので、僅かでも下肢の捩れが改善できれば、同靱帯に緩みが生じるため痛みが軽くなるのを照明するものでした。
ですからHさんには継続して下肢の諸筋肉の緊張緩和を図った後、正常な歩行を取り戻す努力を行なっていただかねばなりません。
努力とは外反股の歩行が身に着いてしまっているため、本来ならば拇指側に体重をかけて歩くことが逆に、小指側のしかも踵側に体重をかけて歩く癖を直せねばならないからです。
余談ではありますが、若い女性ほど歩行の悪癖を修正する期間が短くて済みますが、それはやはり格好を気にするためで、男性ではなかなかそうはならないようです。
男性では痛みは我慢できなくても格好の悪さは気にしない人が多く、筋肉の緊張緩和により足の痛みが消えればガニ股で歩き、再び治療を求められる人が多いのが現実です
Hさんの下肢の諸筋肉の緊張緩和を図るのは容易でしたが、やはり悪癖が邪魔をして再来日の間隔を広げれば、膝が真横に向くことはありませんが再び足先が外を向いてしまいました。
それで最初は二週間に一度の来院が一週間に、それでもダメで四日に一度の来院をお願いする羽目になりました。
来院の間隔が狭くなった原因はやはり歩行の悪癖を直そうとする意識の低下で、最初のうちは頑張っておられたのですが、日を経過するにつれ意識が低下してしまわれました。
それでも何とか正常な歩行が常態化できたのは三ヵ月後のことで、「やっと先生に叱られずに済みます」とお喜びいただき、継続治療が終了することができました。

まとめ:


私がHさんの手術前の状態を知ることができませんが、おそらく外反股による姿勢の悪さが原因で腰椎の一部が後方に突出し、脊髄神経の圧迫で下肢にまで悪影響が及んでいると医師が判断したのでしょう。
入院中はベットで寝ていることが多かったためか、足の痛みを感じることが無かったのが、職場復帰して歩行することが増えたために再び痛みに悩まされたと推察できます。
しかし椎間板の圧迫が無くなったのですから、医師が当初の疾患の原因の一つが取り去られ、痛みも取り去られると判断したのでしょう。
意に反し、まだ痛みが残ったことから、悪い歩きも直さねばならぬとリハビリができる病院を紹介したのでしょう。
しかしそちらでは外反股を矯正せずにただ歩き方を修正しようとし、Hさんの痛みに耐える忍耐に応えることができず、鎮痛剤で対処したと考えられます。
結局、手術後に通院されたリハビリ病院に通われた期間が無駄になり、更に投薬治療だけで過ごされた期間も加算すると一年半も完治にまで遠回りされたことになります。
ここで力説させていただきたいのは、下肢の格好当院の治療でをリセットすることは容易ですが、歩きの悪癖を修正して維持していただくことが肝心となります。
Hさんの要された治療期間は極一般的で、私が治療を施した人の中には短期間で歩行の悪癖を修正できた人もおられますが、中にはHさんよりも期間を要した人もおられます。
「絶対直そう」と強い意思を持ち、正しい歩行を維持していただく必要があります。
前述しましたが、若い女性ならスカート姿やスパッツを履かれて歩かれるためか、ご自分の足の格好を気にされ、早期のうちに歩きの修正が図られることが多いように見受けられます。
ですが、中年以上の年配者で、しかも男性の殆どの人は途中で「もう無理」と弱音を吐かれます。
そのような人に「もう少しじゃァないですか」と励まし、自信を蘇らせるのが外反股治療の肝と言えるでしょう。

外反股とは:


言葉の通り股関節が外を向き、同時に膝や足首から先も外を向く歩き方です。
この歩き方では重心が踵の外側にかかり、立位姿勢では、本来拇指の付け根に体重がかかるはずが逆に浮いてしまう歩きになります。
一般的には[ガニ股]と呼ばれることが多い歩き方です。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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  • 腰痛の原因になる歩き方

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