慢性腰痛とギックリ腰 Ⅶ　：お尻と太腿の後ろに張り感＋遠くに歩けない

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2024年02月01日: 先月から腰の異常で日常生活に不安をきたし、ＱＯＬ（生活の質）が著しく低下してしまい、完治を目指そうとして四苦八苦された人の症例をご紹介してきました。
先月は机上のお仕事が多く身体の自然なカーブが失われ、肩凝りを感じておられた人が或日、腰を屈めたことで腰痛を発症し、数種の医療医療機関を受診された人のお話でした。
その人は当院から遠く離れた隣県にお住まいだったため、通院に難があり、当初の選択肢から外しておられたのでしたが、致し方なく当院を受診されました。
姿勢の悪さを矯正しなくては症状の完治が果たせず、已む無く当院とお住まい近くの鍼灸院に通われ、ご自分では身体の柔軟性の確保と筋肉増加のための運動をお願いしました。
結果、身体の自然なカーブが取り戻せ、疼痛の除去には成功しましたが、完治に至るまでには通常の人よりも永く期間を要してしまわれました。

さて、身体の自然なカーブが取り戻せ、疼痛の除去が果たせても、それを維持していただかねば再発や他の疾患を発症してしまう危険があります。
今回ご紹介するお話は、お仕事が特殊？と言える人が慢性的に腰痛らしきものを感じておられ、当初は当院の治療で完治したのですが、数年後に何故だか症状を悪化させられて来院された人のお話です。

実例：　下半身後側に違和感＋少し歩くだけでそれが痛みに

Ｗさん６８歳は若い頃に独立起業され、現在では大手と言える会社を経営されています。
最初は１７年前に数年我慢していた腰痛に堪えきれず当院を訪れられたのでしたが、発症原因は身体の自然なカーブが失われたことによるものでした。
背腰部と下肢の諸筋肉の緊張緩和と脊柱矯正で当初の痛みは取り戻せたのでしたが、それだけでは効果が持続せず、当院の治療と同時にご家庭で柔軟運動と筋力増加の運動を行っていただきました。
通院頻度は二週間に一度程度でしたが、会社からの帰宅時間がまちまちだったこともあり、完治に至るまで１年以上を経過しました。
それが６年後に「また診てほしい」のお電話をいただき、「さては再発予防を怠けられたのでは？」と思ったものでしたが、ご本人は強く否定されます。
主訴は腰の違和感と殿部と大腿後側の張り感で、屋内での歩行は容易でも外出時では、数分歩けば下肢の症状の悪化のため休憩を余儀なくされたようでした。
上記の症状は坐骨神経痛（或いは麻痺）と言えるもので、突発性腰痛の代表的なものと言えるでしょう。
治療は脊柱矯正により坐骨神経の出口である椎間孔を広げ、次いで坐骨神経支配の全ての筋肉の起始部を揉捏し、立位と同姿勢での背屈姿勢を取っていただきました。
結果、腰の違和感と殿部と大腿部の張り感が消え、靴を履いて院外の道路で症状の残存の有無を確かめていただきました。
「全く症状を感じない」とのお言葉をいただいて治療を終了したのでしたが、理由を後で述べさせていただきますが、何故だか現在まで４度の再発で来院されておられます。

まとめ

Ｗさんは以前の治療の継続治療の終了時には立派な筋肉が着いておられたのでしたが、今度の来院時には明らかな衰えを呈しておられました。
一番最初に当院に来られた際は、背格好は現在と変わりは無かったのですが、上肢と背腰部、下肢の諸筋肉は一般的な人に比べ劣っていると言えるものでした。
それで自然なカーブが取り戻せたのを切っ掛けに脊柱の柔軟運動と、更に道具を使った全身の筋力強化の運動を行っていただきました。
その結果、身体の自然なカーブが崩れることが無くなり、諸関節に関わる筋肉痛や神経痛を生じる危険性が少なくなったわけですが、それが何故だか弱体化しているのです。
Ｗさんは後継者に恵まれ、現在は会長職をされておられるのでしたが、気候が良くなれば、頻回にゴルフに行かれるようになられたようでした。
ご本人は「これも会社経営には欠かせないもの」とおっしゃいます。
上記で「決して運動を怠けていたわけではない」と言う理由に、「ゴルフをしているから全身運動を行なっている」と言うことです。
それが災いし、腰殿部周辺の諸筋肉の疲労が蓄積され、腰椎の椎間孔の狭窄が生じてしまい、症状を起したものと推察できます。
それでも治療を行なえば１年以上は持続できるようでしたが、何故だか現在までに数回治療を求められて来院されます。
お仕事の付き合いもあるのでしょうが、最初の運動も行なっていただけたら坐骨神経痛などは生じることも無かったはずですが、Ｗさんは「その都度治してくれれば良い」とおっしゃるのです。