滋賀県、腰痛治療

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慢性腰痛とギックリ腰 Ⅷ : 仰臥位姿勢(仰向け)で寝られない + 股関節痛

2024年03月01日
今年のテーマとして何らかの理由で通院期間が長くなったり、患者さんの都合で完治を目指さないとか、完治が果たせないと言う症例をご紹介しております。
先月は新しい業務?として、ゴルフをされる人のお話をご紹介しました。
その人は最初の症状を克服して立派な筋肉が着き、身体の自然なカーブが維持されていたにも拘らず、それまで行なっていた運動をおろそかにして坐骨神経痛を発症させられたものでした。
それで当院を再来院されて完治が果たされたわけですが、「ゴルフも運動の一つ」と言う考え方で、以前の運動の頻度は少なくなってしまわれました。
ですからこの疾患を、この原稿を書いている日までに四度再発させて来院されました。
ご本人曰く「痛くなったらまた治してくれれば良いから」と、症状の再発予防などは念頭には無いようです。
今回ご紹介する患者さんは後期高齢者と呼ばれる年齢で、慢性的に正常な歩幅で歩けず、一番のお困りごとは仰臥位で寝ることができず、頻繁に左右に寝返りを繰り返せねばならないと言うことでした。
ですから熟睡できず、日中にウトウトしてしまい、友人との会話も疎かになって相手を怒らせることもあるようです。

実例: 寝姿が安定できない + 熟睡できない +股関節痛


Hさん七十六歳は元公務員で、定年退職後「空気の良いところを」とお考えになり、当地に住居を移されて来られました。
転居当初は散歩に出られ、標高の低い山を登ることもあったようです。
異変を感じられたのは六十歳後半の頃で、何故だか仰向けで寝ることが苦しくなり、左右どちらかを向いて寝ることが多かったようです。
月を重ねるにしたがい症状は他の部位にも及び、歩行時に右側の尻と太腿の外側に痛みを感じることが多くなりました。
それで整形外科を受診され変形性股関節症と診断されたのでしたが、治療は湿布の処方を受けただけだったようです。
更に月を重ね、とうとう左右一方でも寝ることが苦しくなり、一方だけだった下肢の痛みも左右とも痛くなり、歩行速度や歩行距離にも影響が出てきたとおっしゃいます。
就寝中は右向きから左向き、左向きから右向きと姿勢を換えねば痛みから逃げられないようになられました。
当然熟睡ができず、起床時は徐々に遅くなって、少なくとも半日はボーッとされていたようです。
当院を受診される直前の整形外科受診では、医師が「人工関節置換術をすれば?」と手術を勧めたようでした。
私の診察時のHさんの身体はと言うと、胸腰椎(特に腰椎)は後方に飛び出し、両側の股関節は外反して膝が外を向き、膝関節は完全伸展できずに曲がったままでした。
つまりHさんの歩行の姿は前屈姿勢でいわゆる[ガニ股]で、歩幅が短く左右に揺れて歩かれていたことが明確です。
治療は伸ばすことができなくなった膝関節を整復することを優先し、硬縮したハムストリングスの諸筋と大腿四頭筋を緩ませることにしました。
一方の足を整復させるのに15分程度を要し、次いで外反した股関節を幾度かの運動法と骨盤周辺の揉捏とで周辺の諸筋肉を緩ませ、骨盤矯正とで外を向いた股関節を前に向かせました。
その後、いつもの脊柱矯正を施し治療を終了したのですが、治療院の中では正常な歩きができるのですが、帰宅されて数日を経過すれば元のようにとまではいえませんが[ガニ股]に戻ってしまわれます。
「手術するぐらいならここ(当院)で診てもらう」とご自分の力 若しくは努力で姿勢の悪癖を直そうとはされません。

まとめ


何故 ガニ股が直ると股関節痛が治るのでしょうか?
そもそもガニ股は医学用語で[外反股]と言い、一方または両側の股関節が外を向くものを言います。
大腿骨頭の後側の一部だけで関節を成し、大腿四頭筋が外に引っ張られ、一方膝関節は姿勢のバランスをとるため屈曲します。
ですから膝関節を曲げるはたらきをするハムストリングスの諸筋も緊張を余儀なくされ、大腿四頭筋と同様に過緊張を維持してしまうわけです。
この歩き方では股関節の可動域が狭まり、関節を作る骨に磨耗が生じます。
股関節とは、寛骨臼と言う深い窪みと大腿骨頭とで構成される関節です。
大腿骨頭は寛骨側に向いた球体をしており、大転子と呼ばれる側では種々の筋肉の腱が起始しています。
ですから股関節の可動域が狭まれば、球体の一部しか寛骨臼に接することができず、磨耗により股関節が変形するのですが、外反股が改善できれば寛骨臼に触れる部が広がるわけです。
更に骨盤の左右にある腸骨を狭めれば、ハムストリングスの諸筋や大腿四頭筋等が緩ませることができ、私が施す施術で筋肉に罹った余計な付加が取り除けて疼痛緩和が果たせるのです。

Hさんのガニ股は若い頃からだったようで、左右に揺れて歩くことや走りが遅いこともご自覚されてました。
なのに当院の治療で股関節が正常に前を向き、膝も足先も前を向いて更に、脊柱矯正で前傾姿勢が整復できたのですから、この姿勢を維持していただかねばなりません。
「もう何年も生きられないから」と言う理由で前述のことを諦め、仰向き姿勢でも眠れるようになったのにも拘らず「また悪くなったら診てくれ」と悪癖を矯正する努力をされません。
以上の理由でHさんは今日まで二年近く通院されてますが、極めて珍しい症例と言えるでしょう。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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  • 腰痛の原因になる歩き方

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