滋賀県、腰痛治療

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慢性腰痛とギックリ腰 Ⅸ : 腰を屈めると痛い + 姿勢を正しくできない

2024年04月01日
今年のテーマとして何らかの理由で通院期間が長くなったり、患者さんの都合で完治を目指さないとか、完治が果たせないと言う症例をご紹介しております。
先月は足の格好のため股関節に痛みを感じ、夜に寝る姿勢が苦しくて幾度も寝返りを余儀なくされ、熟睡ができずに昼間にウトウトしてしまう人の症例をご紹介しました。
その人はいわゆるガニ股と言われる歩き方で、医師に手術を勧められるほど痛みに耐えておられました。
当院の治療で全ての症状が改善できたのですが、歩行の悪癖を正せねばならず年齢を理由に努力を拒まれて完治に至らず、痛みが極まれば来院されておられます。
今月ご紹介する症例は、日頃から背腰部痛のため姿勢を正しくできず、更に背を屈めると腰に鋭い痛みを感じられる人のお話です。

実例: 背を正しくできない + 前屈すると腰に痛み


Tさん五十六歳は現在は専業主婦で、以前は隣市の農業協同組合に勤務されておられました。
勤めていた頃は職場の移動が多く、窓口業務だったり物品の販売業務だったりしたようでした。
机上の業務では身体に問題は無かったのでしたが、物品の販売業務では所内を歩きまわったり姿勢を屈めたりする必要があり、背や腰に痛みを感じながらでの業務だったようでした。
勿論病院には懸かっておられたのでしたが、際立った改善が望めず、痛みに我慢ができずに已む無く退職と言う選択肢を選ばれました。
それでも専業主婦と言う仕事では姿勢を前に倒すことが多く、医療機関を換えてもやはり変わりは無く治療は湿布の書法だったり、種々の鎮痛剤やビタミン剤を処方されたようでした。
当院を訪れられたのは約一年前で、背を屈めると痛いと言うわりには前屈姿勢で、「背を正しくするのも痛い」とおっしゃるのでした。
触診で得られた感触では骨が脆く、強い圧迫には耐えられないと感じました。
Tさんご自身も最初の病院で骨粗鬆症と診断されていたようで、更に脊柱管狭窄症とも診断されていたようです。
更に股関節は完全伸展できず、+-0度(直立)も困難なようです。
つまり仰臥位(仰向け)で寝ていただくと大腿骨はやや上を向き、当然膝関節は屈曲を余儀なくされてます。
ですから脊柱(背腰部)も、股関節も伸ばしきれないのです。
当然胸腰椎に圧迫が加わることで痛みを生じさせることから、就寝時には側臥位(横向き姿勢)でしか寝ることができません。
治療は完全伸展できない股関節と膝関節からはじめ、堅く萎縮した諸殿筋と膝関節に関わる諸筋を緩めることにしました。
腹臥位(うつ伏せ)が難しいTさんの腹部にバストマットと関衝材を重ねたり、今度は三角柱のクッションを抱えていただいて横向き姿勢をとっていただいたりして施術を行ないました。
それで下肢の関節可動域は直立姿勢までは回復できたのですが、脆い脊柱を矯正するのが難しく、硬く萎縮した背腰部の諸筋(特に脊柱起立筋)を緩ませても前屈姿勢の矯正には至りません。
それでもこの時点でTさんは「久しぶりに背中や足の荷が外れたようで、軽くなった感じで足の余計な力が抜けてホットした感じ)とおっしゃいました。
以後は脆弱な骨を考慮し、正常な姿勢を形どったバストマットに伏せていただき、徐々に圧を増した軽擦法を重ねて漸く軽い脊柱矯正が行なえるようになりました。
やはりと言って良いのか何とか脊柱が伸びたのですが、胸椎や腰椎がほぼ一直線になっただけで、身体の自然なカーがまだ取り戻せません。
それでTさんにベットから降りて「気をつけ」の姿勢をとっていただくと、「背中に棒が貼り付いたみたい」とおっしゃり、少しの回復をご自覚されました。
その後、どこまで腰を曲げられるかを確かめていただき、日常動作ではそれほど問題が無いことがわかりました。
但し、完治までは程遠く、骨粗鬆症を考慮した治療を継続しなければなりません。

まとめ


Tさんは若い頃から偏食気味で、魚が嫌いで肉や乳製品もあまり摂っておられなかったようで、閉経後に骨粗鬆症と診断されたようです。
骨粗鬆症が無ければ早期のうちに完治が果たせるのですが、圧を強くしてポキッとやってしまったら、来院前よりも悪い身体状況になりかねません。
ですからこの状態が治療の際終点とし、家事仕事で何れかの箇所で痛みを感じたら、来院して再度上記の治療を施すことにしました。
今回の症例以外にも骨が脆い人が来院されることもあり、その多くがバセドウ病やその疑いを持たれている人です。
何にせよ、私たちのような理療師は身体に圧を加えて治療せねばなりません。
上肢や背腰部・下肢を整復する場合、筋肉を緩ませねばならず、垂直圧を加えられないことが最大のネックとなります。
ですから問診ではご自分の身体状況や医療機関で診断された病名、自覚されておられる不便さなどを最初の問診で詳しくお伝えいただかねば、その人に合った施術ができません。
上記の疾患に覚えのある方はどうぞご注意ください。
次回からは病院を受診するほどでも無いような痛みや、日常ちょっとした不自由さを日頃から感じておられた人の症例をご紹介させていただこうと存じます。

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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