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病院に行くほどではないけれど8 : 天候が悪くなると頭痛や眩暈が!
- 2024年12月03日
- 気忙しい月を迎えました。今年も皆様方には大変お世話になり、心からお礼申し上げます。
日頃より地域医療の一つとして微力ながら努力してきましたが、来年も皆様の健康な生活の一助としてお役に立てるように日々健啖を積み重ねようと存じますのでよろしくお願い申し上げます。
さて今回のテーマとして「これで病院を受診しても・・・」と思うような症状を幾つかご紹介してきました。
中には既に整形外科クリニックを受診し、誤診とまでは言わないまでも、明らかな手落ちの治療を施されたり、意味の無い治療を受けて過ごされていた人もおられました。
先月は逆流性胃炎と食道炎に悩まされていた人が、当院の治療でそれまで処方されていた内科の薬を飲む必要が無くなった症例をご紹介しました。
それは失われた身体の自然なカーブが取り戻せ、体幹を前方に倒す姿勢を取っても、胃の内容物が胃の入り口である噴門弁を通り抜け喉を迫り上がることが無くなったためです。
今回ご紹介する症例は、肩凝り殊に頸部の筋肉を凝らすことの多い人が、お感じになられる幾つかの症状を取り上げようと存じます。症例1: 季節の変わり目になると頭痛や眩暈が!
Sさん五十一歳女性は、家業の果樹園で主に事務作業をされてます。
繁忙期には剪定作業や出荷作業にも携わられるようですが、それ以外は事務所でのお仕事で、一日中パソコンの画面を見ながら、電話での注文を受けたりの業務をされておられるようです。
一番症状を強く感じられるのは梅雨前で、「そろそろ来るな!」などと頭痛の前兆を感じられるようです。
それ以外にも天候が悪くなる前になると気分が塞ぎ、天気予報と同じ程度の確立でまで翌日の天気がわかるようで、前駆症状として眩暈を感じられるようでした。
「そろそろ危ないな」と思われる頃に、ご自分で首や肩関節を回したり、椅子から立ち上がって少し股を開いて全力で背を反らしたりされるのですが、とき既に遅し。
Sさんが業務中でも上記の肩凝り予防の体操を頻回にやっていただければ、肩凝り由来の症状を感じずに済むのですが。
もうこれは職業病と言えるもので、事務作業をされる人なら何方でも起こる症状と言えるでしょう。
仕事中はいくら肩凝りを感じても作業を優先してしまうため、首や肩の諸筋肉が堅くなり「いけない!頭痛を起してしまう」と予防のため当院を訪れられて十数年が経ちます。症例2: 最初は下の左側の顎の痛みで、次いで徐々に頭痛に
片頭痛を感じて、或いは感じる前に予防のために当院を受診される人は多いのですが、Bさん四十三歳 女性は片頭痛を感じる前に、顎から頬、瞼付近から側頭部へと異変を感じるところが移動するようです。
お仕事は撚糸業で、比較的体を動かすことが多いようですが、身体の自然なカーブが失われていて、最初は歯か或いは顎の痛みを感じられるようです。
一応歯科医師に「この辺りが痛い」と指で示し、歯の治療を施してもらうこともあるようですが、時には、「これは歯医者が扱う疾患ではない」と告げられることもあるようです。
それが顎だけの症状にとどまらず、同側の耳が聞こえ難くなったり、瞼の動きに違和感を感じるようになって直後、片頭痛を感じられるようでした。
Bさんは「それなら按摩か?」と当院を訪れられるようですが、按摩と言えば年寄が行くものとお考えなのか、一足飛びに当院を訪れることは無いようです。
Bさんの場合起立姿勢が悪く、最大の原因は歩き方にあると考えられます。
Bさんの歩き方は仕事柄のためか歩幅が狭く、膝関節の可動域が狭いため完全伸展がされません。
ですから膝はやや屈曲気味で、身体のバランスを取るため背腰部が前方に倒れて後方への転倒を避ける姿勢を取られておられます。
慢性的に背を後方に飛び出した円背姿勢のため、頚椎はそれに並んで頭部を前方に倒すようにされます。
頸肩部を横から見ると、Sさんと同様の姿勢を取られるわけです。
◆片頭痛とは
何れの患者さんも頸部や肩上部、上腕部や肩甲間部(背骨と肩甲骨の間)の諸筋の過緊張を生じられるのですが、酷い場合は頚動脈の上項線と呼ばれる部に動脈瘤を作られることもあります。
凝りの中でも一番厄介な筋肉は胸鎖乳突筋と呼ばれる筋肉で、深部には頭部や顔面部を栄養する頚動脈が上行しております。
この筋肉は頚部の最大の筋で、広頚筋にその大部分を覆われていますが、広頚筋が薄いので下にその全体を観察することができます。
この筋肉は先が二つに分かれたような二頭筋で、1頭は胸骨上縁で、もう一方の頭は鎖骨の内側に起始しています。
停止部は側頭骨の乳様突起と呼ばれる部で、作用は両側の筋が同時にはたらくと顔をやや上向き加減にして、後頭部を前下方に引き、首をすくめるような運動がおきます。
片側だけが働くと首を収縮側に曲げ、顔は反対側の斜め上を向きます。つまり、顎が収縮側と反対側に上がることになるのです。
上述のように頚椎が前方に傾いて固まると顎を体幹に引く姿勢を取ることが多く、胸鎖乳突筋はフルに活躍することになります。
胸鎖乳突筋が常に過緊張を強いられることになり、そのために頚動脈の血流を妨げてしまうことで頭痛を生じてしまうことはこれでお判りでしょう。
この筋肉は気道に極めて近く、緩めるために行なう揉捏法は他の筋肉と比べ、充分な慎重を余儀なくされます。
頭痛を防ぐにはこの筋肉を伸展させることですが、それは頭部を後ろに倒すことで果たせるのですが、お仕事に集中しておられればそれは不可能でしょう。
Bさんの場合、上位胸椎の後方突出により第一胸椎(TH1)の上(頚椎と関節する側)が前方に倒れ、上に位置する頚椎は前方に倒れることによりSさんのように同筋が凝ってしまいます。
Bさんの治療は頸部だけではなく、胸椎や腰椎を整復する必要があり、脊柱矯正術が必須となるのです。
頭痛を感じた場合、頭痛薬と呼ばれる鎮痛剤を服用される人もおられますが、これは一時凌ぎとしか言えず、頭部に上行する血流を回復させなければなりません。
たとえ一時的に頭痛が寛解したように感じても、そう期間をおかず頭痛が再発してしまう可能性が残存してますから、血流の妨げになっている筋肉を弛緩させねばならないのはこれでお判りでしょう?
著者プロフィール

兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
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