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病院に行くほどではないけれど10 : 脚長差=側弯症
- 2025年02月03日
- 今回のテーマとして普段、「こんなことで病院なんて」と思われる症状についてご紹介してきました。
前回までは肩凝り症状で生じる様々な疾患について述べさせていただきました。
先月は頸部の側面に位置する斜角筋の過緊張(凝り)により、頸部や上肢の痺れや筋肉の萎縮による様々な自覚症状を生じさせることをご説明しました。
症状が軽度なうちなら頸肩部の運動でも悪化が防げますが、特に肩凝りを感じ難い人ではそうはいかず、自覚症状がピークに達してから医療機関を受診されます。
今回からは、その肩凝りを生じさせる原因について述べさせていただこうと存じます。肩凝りを生じさせる原因
ご存知のように肩凝りを生じさせる原因の多くは姿勢由来のものが多く、その中でもあまりご本人が気がつき難い原因として側弯症と言うものがあります。
それは一方の肩上部が沈み込み、その側に頸部が倒れることで反対側の頸肩部の諸筋肉が過伸展を余儀なくされ、それが常態化されることで肩凝りを生じさせるものを言います。
ですから洗面や歯磨などで鏡を見て、それを自覚されるまで気がつかれないとか、他人に肩が下がっていることを指摘されてそれで鏡を見て確認される人もおられます。
その原因は一般に言われる背骨(胸椎と腰椎)が左右どちらかに側方に曲がることで凹側の肩上部が下がり、反対に凸側の肩上部が上がることになります。
これを側弯症と言います。
ですから頭部は下がる側に倒れ、それで凸側の頸肩部の筋肉が伸びた状態が常になり、力を無くした筋肉には血液の供給が受けられずに痛みとして脳に異常を伝えるのです。
では何故背骨が側弯するかと言うと、一番の原因は脚長差(きゃくちょうさ)が挙げられるでしょう。
左右どちらかの足が短くなっていると言うことで、更に一番多い原因は短くなっている側の膝関節が完全伸展できないことが上げられます。
二番目に多い原因は股関節の異常ですが、それは次回として今回は膝関節が原因となる病態について述べさせていただきます。
膝関節が完全進展できなくなる原因の多くは歩き方で、右足と左足の歩幅が違うことが考えられます。
それは過去にその側の脚部のどこかで負傷したり、同側の手に重量物を下げて歩くことが多くて、結果的に同側の足を守るような歩きになってしまわれたことが予想できます。
更にもっと重篤な人なら起立姿勢で股関節の完全伸展ができず、太腿を後方に持ち上げるはたらきをする大殿筋が萎縮し、患側の関節可動域に著しい制限を齎します。
ですからそのような人が平らなところで仰臥位姿勢を取られれば、患側のひざ裏が浮いて膝関節を完全伸展できないことが自覚できるでしょう。
以前お越しになられた人などは、側弯症だけ見てコルセットの装着で姿勢を補正しようとされたのでしたが、長期間の装着で筋肉量が減り、更に酷い状態をきたされてました。
腰椎の変形では胸腰椎が後方に飛び出したならいくらかは効果が期待できるでしょうが、側方に曲がってはそれほど効果が期待できないでしょう。
勿論側弯を生じる原因などは念頭に無く、逆に完治に期間を要したものでした。
ですから側弯だけを見るのではなく、根本的な原因を取り去らねばならないことはこれでお判りでしょう?
治療は可動域が狭まった股関節や膝の屈曲や伸展に関わる諸筋肉を緩ませ、幾度かの運動法を施し、膝関節が完全伸展できるようになった後で彎曲した胸腰椎を整復します。
ですが、一度の施術で完治が果たせる人は少なく、左右の足の歩幅の違う歩き癖が無くなるまで上記の治療を施さねばなりません。
通院期間は人それぞれですが、凡そ肩凝りに苦しめられた度合いの強さが強い人ほど早期の完治が果たせるように見られます。
逆に言えば、頸肩背部の諸筋肉の過緊張(肩凝り)が感じられない人ほど完治に期間を要するわけですが、それを放置すればやがて膝にも痛みを感じるようになります。
実は歩きの悪癖を正すには治療後に大股での歩行を意識すれば良いのですが、肩凝りを感じ難い人では膝が痛くなるまで放置される人が多いように見受けられます。
次回は骨盤の異常による股関節由来の側弯症について述べさせていただこうと存じます。
著者プロフィール

兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。