滋賀県、腰痛治療

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病院に行くほどではないけれど12: 円背=範囲の広い肩凝り

2025年04月01日
今年の2月から肩凝りを生じさせる姿勢になる原因について述べさせていただいておりますが、
先月までは一方の肩が下がる姿勢(側弯症)についてご紹介してきました。
それは片側の足が原因で起こる姿勢で、一方の足の長さに違いが出て生じるものでした。
背や腰の骨(胸腰椎)が短い側の足のほうに弯曲し、下がった側とは反対の肩や首の筋肉が
過伸展が余儀なくされることで起こる肩凝りでした。
ですから、いくら首や肩が凝るからと言って、その部の筋肉だけを揉み解しても[焼け石に水]と言うことで、
すぐに凝りが再発するのはお判りでしょう?
したがって脚長差を無くすことで根本の原因を取り去れば、対処療法で肩凝りを治療するだけよりは
遥かに有効なのはお判りいただけるでしょう。

さて、今回は同じ姿勢由来の肩凝りでも自覚する症状が多く、
机上のお仕事や姿勢を倒すことの多い作業などで起こる身体の異変について述べさせていただきます。
一例を挙げますと机上のお仕事では現在はパソコンを使うことが多く、ディスプレーを凝視し、
キーを打つため姿勢はやや前傾した状態で固定を余儀なくされます。
その体幹の姿勢を横から見ると、頸部や上位(或いは中位まで)の胸椎は前傾し、
頸肩背部の諸筋肉は過伸展を余儀なくされるでしょう。
ですから胸椎が後方に飛び出す姿勢を取ることになり、この状態のことを[円背]と言います。

円背姿勢では胸椎直側の筋肉である脊柱起立筋は過伸展を余儀なくされ、
筋力が失われた脊柱は自力で元の良姿勢に戻すことが困難になります。
更に外側の肩甲骨が運動不足で加動範囲が狭くなると、廃用性萎縮で更に平坦となり、
逆に肩甲骨の下方にある棘下筋と癒着することも予想できます。
癒着により肩甲骨の動きを妨げることで肩関節は側方挙上と後方挙上が困難となり、
この状態で整形外科を受診したなら[五十肩 或いは四十肩]と誤診されることも少なくありません。
運動習慣などがある人でも、直立姿勢では腕を自然に垂らした場合、
体幹の真横より少し前に腕を垂らすことになるでしょう。
つまりその人の背は、縦にも横にも丸くなることになるのです。
円背が継続されることで可動域が失われた肩関節の筋肉は正常な筋肉活動が制限され、
最悪の場合腕を前に出す以外の動作が困難になるでしょう。
萎縮した筋肉の深部には運動神経だけではなく感覚神経も存在し、縮んだ筋肉の圧迫により痛みを生じさせるのですが、
これが凝りによる痛みのメカニズムです。
筋力が失われた背中は自力で正常化を図ることができず、
常に過伸展を余儀なくされた筋肉の張り感や痛みに曝されますが、背の骨(胸椎)にも異常が生じることになります。
全く可動性が失われた背中の骨同士の関節(椎間関節)では、上下の骨同士が癒着して固まり、
その期間が長ければ長いほど整復が困難となるのはご想像できるのではないでしょうか?。
肩凝りによる痛みの範囲は背中だけにはとどまらず、円背のため前傾を余儀なくされた首の骨(頚椎)では
背側にある筋肉群も萎縮し、直下の椎骨動脈にも影響が及びます。
それは廃用性萎縮により動脈の血流も悪くなるのですが、椎骨動脈は直接頭脳を栄養する血管ですから、
阻害を受けた箇所の頭脳のはたらきにも影響が及ぶわけです。
以上のような症状のことを椎骨動脈圧迫症候群と言います。

随分前にご紹介しました[車をバックさせようと後ろを向いて気を失った人]の症例では、
首を後方に捻った瞬間、失神して危うく大事故に陥られるところでした。
その場では助手席の同上者が異変に気がつき、サイドブレーキを引いてギヤをニュートラルにしたことで
大事には至りませんでしたが、車の後方は破損されてしまわれました。
前述のような円背姿勢の人が車を運転し、気転の効く人が同乗していなければ
最悪の事態に陥られることはご想像できるのではないでしょうか。
当時は同上者の人が当院の患者さんでしたので、当該運転手さんを当院にお連れいただいて私が治療を施したのでしたが、
頸肩部は容易でしたが背部は困難をきたしました。

それは円背している胸椎の頂点辺りの関節部が癒着し、全く可動性が回復しなかったことでその上下の骨が整復できても、
TH4だけが僅かに飛び出すと言う甚だ不完全な治療となってしまいました。
ですからこれをお読みの皆さんの中で、仰臥位姿勢で背腰部の骨が床に接触していることが自覚できる人は、
できるだけ早く整復できる治療院を受診してください。
整形外科のような西洋医学を受診したとしても、飛び出した胸椎を整復することは避けて湿布や鎮痛剤の処方だけで、
筋肉が過伸展を余儀なくされる原因には触れないでしょう。
円背のために飛び出した胸椎を整復するほうが、例えお仕事で円背姿勢を繰り返したとしても、
その都度整復したほうがその人のためと言えるのではないでしょうか?

著者プロフィール

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兼田 茂和

国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。

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