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坐骨神経痛と誤診された症例
- 2021年11月29日
- 先月は病院で坐骨神経麻痺と誤診され、入院する寸前で当院の治療を受けられ、無用の手術を回避された方の症例をご紹介しました。
今回ご紹介する方も坐骨神経痛と誤診されましたが、手術を拒み鎮痛剤の処方で痛みに耐えてこられた方の症例です。偽坐骨神経痛を改善できた実例
Aさん50歳は女性で、半年前から事務作業の仕事を始められました。
現在の仕事をされる前は飲食店で接客を担当されてましたが、コロナの影響を受け失業されたため仕事を変わられたとのことでした。
学生時代に経理の勉強をしていたそうで、仕事内容はそれほど苦になりませんでしたが、身体的な問題を抱えていました。
Aさんは長時間椅子に座っていると、下半身が痛くなり、座ったままでいることはおろか立ち上がることも困難になってしまうとのことでした。
しかし生活のため、仕事を辞めるわけにはいきません。
なので何とかしようと整形外科クリニックを受診されたのですが、医師は原因がわからず市の総合病院を受診することを勧めました。
総合病院での診断は、下半身に痛みを感じる最初が腰からと言うことなので、坐骨神経痛と言う診断でした。
痛みのために仕事ができないと言うなら「腰を手術するしかない」と言うものでしたが、Aさんは拒否され投薬治療を希望しました。
しかし何度か薬を換えてみましたが痛みの鎮圧には至りません。
そのため当院を受診されたのですが、私はAさんの説明を聞いて総合病院の医師の診断には納得がいきませんでした。
何故ならAさんの自覚症状は限定的なものでしたから、坐骨神経痛には当てはまらないと判断できたからです。当院での治療
触診させてもらおうとベットで仰向けに寝ていただき、骨盤の左右差を診ますと疾患の原因が明確になりました。
Aさんの股関節は左側は正常でしたが、右側は外反してたのです。
では骨盤はと言うと、同側の腸骨がやはり左側に比べ開き気味です。
Aさんの体格は羸痩(るいそう)傾向で、正常な成人に比べ著しく筋肉が劣っていました。
そのため長時間椅子に座っていると、上半身の体重に骨盤の周囲の筋肉が耐えられず、一方の腸骨が広がってしまうため、右側の股関節周辺に痛みを感じたのです。
だからと言って、いつも右側だけが痛くなるのかと言われると違います。
その日のタイミングで左側が痛くなったり、或いは右側が痛くなったりするはずです。
以上のことをAさんに尋ねると、「はい、ずっと前は左側が痛みました」とおっしゃいました。
ひとまずは骨盤矯正だけで痛みの原因を取り去ることができましたが、問題は再発の予防でした。
再びどちらかの腸骨が開く前に、殿部の筋力の強化をしないと再発するのは明らかです。
Aさんには殿部の筋肉強化運動を指導し、正常な筋肉が得られるまで痛みが再発した際は、来院を約束いただいて当日の治療を終了しました。
※坐骨神経痛につきましては、前回の坐骨神経麻痺とほぼ同様ですので、ご興味がありましたらこちらの記事をご覧ください。まとめ
多くの人はAさんが何故以前の仕事では痛みを感じなかったのに、現在の仕事で痛みを感じ、何故最初の痛みを腰に感じたのか疑問に思われるでしょう?
人の立位姿勢では、正常な人なら横から見るとアルファベットのSの字をしています。
つまり立位姿勢が正常なら、頭部や背腰部の体重が全て骨盤に掛かることはありません。
旨く負荷を逃がすことができるのです。
ところが椅子に座った姿勢の場合、上半身が前方に傾き、背腰部の諸筋肉は現在の状態を維持するため過緊張を強いられます。
この状態では自然な身体のカーブが失われることになります。
そのため一番最初に腰に痛みを感じ、更に時間が経過すると殿部の筋肉までが筋力を失い、結果骨盤周囲に痛みを感じてしまうのです。
上記のことを回避するには筋力強化するしかありません。
Aさんには立った状態で一方の足を蹴り上げ、更にその状態を維持していただき、次は足を替えて行なっていただくことにしました。
勿論、歩行もできるだけ大股で。
以後、Aさんは二度目の来院は在りましたが、三度目の来院をされることはありませんでした。
前回もお伝えいたしましたが、経験の少ない医師に診断を受けた場合、誤った診断を受けることがあります。
ご自身が納得できない場合、セカンドオピニオンとして我々のような医療関係者の意見を求めるのも1つの方法です。
著者プロフィール

兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。