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【新シリーズ】医療機関で改善されず当院を訪れた症例~パーキンソン病を疑われたAさん~
- 2022年11月18日
- 今年の七月から治療期間が長期化する典型的なパターンをご紹介しております。
前回の症例
先月は悪い歩き方のため腰痛に加え、何故だかお尻辺りにまるでペンチで筋肉を挟んだように鋭い痛みを感じておられる人の症例でした。
殿部の鋭い痛みの原因は筋肉の未発達でしたが、それは何故だか左側の殿部だけに起こるものでした。
ですから現在も殿筋の筋力強化の運動を行っていただいておりますが、痛みを起こす頻度は徐々に少なくなっているようです。
骨盤の周辺の慢性痛で動けなくなる人新シリーズ始めます
今月からは趣向を変え、当院に来られる前の医療機関で目立った改善が見られなかったにも拘わらず、そちらでの治療を続けたために完治に期間を要した症例をご紹介します。
第一回目の患者さんは、主訴以外に私が気になった症状をお持ちで、そちらは既に大学病院で経過観察されている人でした。医師にパーキンソン病を疑われたAさん
Aさん六十一歳は運送業で、主に中型トラックを運転されてました。
過去形で述べさせていただいたのは、下肢の症状のため半年ぐらい前から休業を余儀なくされていたからで、もう退職をお考えになられていたからです。
当院を受診されたのは頸部の動脈瘤の治療で、その原因は頸肩部の諸筋肉の過緊張でしたが、脳外科の医師に「凝りを解せるところで診てもらいなさい」と言われたからです。
ですが問診のため診察椅子まで歩かれる姿に、主訴以外の疾患を疑わせる異常が見られました。病院では原因不明、投薬で経過観察となった
Aさんはまるで足に重量物を巻いたかのように前傾で体幹を揺すり、椅子から少し離れたところから腕を伸ばして椅子を掴み、引き寄せて座られるのでした。
「足も悪いんですか?」と問う私に、「今○○病院で調べてもらってます」と某有名大学病院の名前を告げられました。
ご本人がおっしゃるには突然足が前に出ず、体幹を揺するようにしなければ歩けなくなったようで、座る姿勢もまるで足を投げ出すような格好に陥られたようです。
Aさんはこの疾患のため、もう半年ほど同病院を通院されているようでした。
病院の医師は最初パーキンソン病を疑ったようでしたが、特有の歩きが見られなかったことや諸検査でも原因が判明せず、何れにしても脳や脊髄由来の疾患と診断されたようです。
現在は投薬による経過見の最中とおっしゃいました。当院にて触診
主訴の動脈瘤の治療は一般的な肩凝りの施術で簡単に治療が終了し、私は理療家の興味からAさんの下肢を触診させていただきました。
Aさんの大腿部や下腿部はそれほど太いものではありませんが、皮膚がパンパンに張って、足首はと言うとアキレス腱がまるで骨のように堅く弾力性を持ってません。
「これなら関節が動くはずは無いな」と思った私が、「痛みはありませんか?」と問う私に、「皮が張って辛い」とおっしゃいます。関節可動域の回復を試みた結果・・・
ご本人の苦痛をいくらか改善できないかと、幾つかの揉捏法で筋肉の緊張緩和を図り、足関節(足首)を軽度の運動法で関節可動域の回復を試みました。
それで少しは改善が見られたことから、「それなら膝は?」と大腿部の諸筋の緊張緩和を図ろうと指に圧力をかけますと、Aさんは酷い圧痛を訴えられました。
ですから当たりの緩い軽擦法や按捏法を試み、最後は通常の揉捏法が可能になったことで股関節や膝関節に関わる諸筋肉の緊張緩和が図れました。
当該医師の考えるような神経疾患なら関節が正常に動くはずが無いのですが、Aさんは「アレッ!? 動く?」っとおっしゃいます。
Aさんはベット上で仰向け姿勢ではありましたが、小さく膝を立てたり、足首をピクピクさせられるのです。
それならと今度は可動域の広い運動法を試み、施術後にベットから降りて立った状態で掴まり歩行をお指示しますと、ぎこちないものではありますが歩けました。本当の原因
Aさんは仕事でトラックのペダルを踏む動作や、ちょっとした距離を歩く以外は足を使われなかったようで、それが証拠に体幹に比べ弛緩した足の太さは細く羸痩と言えるものでした。
更に踵を引き擦る歩きをされていたため、股関節や膝関節、更に足関節の可動域を制限することで足が浮腫み、とうとう下肢の全ての関節が動かなくなってしまったのでしょう。
何にしてもほぼ正常に歩けるようになったのですから、Aさんが慶ばれないわけはありません。
しかしまだ普通に歩行が可能な下肢の力が回復したわけではありませんので、松葉杖をお貸しし、歩行運動を続けていただくことにしました。
問題は○○病院から処方されている薬ですが、服用するか否かが判断できず、翌日 病院を受診して当該医師の診断を受けていただくことにしました。まとめ
Aさんは最初、市内の整形外科クリニックを受診されたようでしたが、前述のように脳や脊髄などの神経由来の疾患と診断されたようで、某大学病院を紹介されたようでした。
以前にも述べさせていただきましたが、最近の医師は種々の画像検査を重視し、触診などを行わないことが多いように感じられます。
更に問診にも不備があったのか、仕事柄あまり足を使わなかったことや、歩行の悪癖も当該医師の眼中には無かったようで、原因不明の脳 脊髄神経由来の疾患と誤った診断につながったようです。
Aさんは一週間程度松葉杖を使った歩きで正常な歩行を取り戻され、現在は完全に職場復帰が成されたことで当院の通院を終えられました。
勿論、○○病院の通院もやめられ、投薬も初診日の翌日でやめられたようです。
おそらくAさんが当院を受診されなかったら、今田に投薬治療を続けておられ、経過観察のため○○病院を通院されていたでしょう。
下肢の浮腫の主な原因は下肢の運動不足で、主な原因と述べさせていただいたのは稀に心臓疾患でも浮腫をきたすからで、循環器系に問題が無ければ凡そ歩行に問題があるわけです。
[足は第二の心臓]と言う言葉を聴かれたことはありませんか?。
それは下肢の関節を正しく動かすことで、関節運動に関わる諸筋肉の緊張と弛緩により静脈血を心臓に返すはたらきが果たせます。
これを[筋ポンプ]と称される専門医もおられます。
筋ポンプがはたらかず、下肢に静脈血が貯溜すると静脈管の壁が薄くなり、粒子の細かい水分(体液)が滲透力を増すことで静脈管外に漏れ出てしまいます。
これが浮腫となり、下肢を浮腫ませるわけです。
私が現在の職に就いて、上記のような症例を診たことは少なくなく、医師の誤診で寛解に時期を要した人は少なくありません。
以後も数例、医師の誤診や患者ご本人の認識不足から、完治に期間を要してしまった症例を幾つかご紹介しようと思います。参考までに
パーキンソン病とは、中年以後に発生する頭脳の一部の錐体外路と呼ばれる部の変性疾患の一つで、筋固縮・無動・振戦・姿勢保持障害等をきたします。
患者は特有の前屈姿勢をとり、すくみ足歩行や飛び石歩行と呼ばれる独特な歩き方をするようです。
著者プロフィール

兼田 茂和
国家資格あん摩マッサージ指圧師保有。
日常的に抱えている慢性痛に対し、その痛みの原因を追究して根本を改善することで、痛みの軽減を目指します。日々、人の命を預かる重みを感じ、ひとりひとりに合った施術で、最後まで誠心誠意施術致します。
WEBサイトの営業電話はお断りしております。